住友林業グループのリフォーム事業を一手に引き受ける住友林業ホームテック(東京都千代田区)。2021年12月期の売上高は641億円でコロナ前の2020年3月期と比較すると8.7%減となったが、採用や育成強化により業績好転を目指す。「リフォーム業界ナンバーワンになりたい」。就任して1年を経た島原卓視社長が高らかに意気込みを語る。
売上高の推移
※2020年12月期は決算月変更により9カ月間の数字
耐震と木質感で差別化を図る
2021年12月期の売上は641億円で着地。今期は約4.5%増となる670億円を見込む。決算月が3月から12月へと変更となった影響もあり2020年12月期こそ上回るが、700億円越えを達成した2019年年度には及ばなかった。コロナが業績を直撃した。「緊急事態宣言やまん延防止などがあると、受注が止まってしまう。また、社員自身が濃厚接触者になるなど、業務に滞りがあった」(島原社長)。
施工件数年約5万件のうち、従来は5分5分だった新規とOB客の割合を改め、後者の割合を6割に増やした。アフターフォローを徹底するなどし、修繕などをコンスタントに受注することで売上を確保した。一方、今現在、同社が力を入れているのは新規顧客からの受注だ。
ポイントは、いかに顧客の悩みに訴求できるか。とくに省エネ化、耐震など性能向上リフォームの提案を強化している。例えば、電気代が上がっていて困っている顧客には太陽光や蓄電池を、「部屋が寒い」という顧客には断熱改修を、地震が増えている地域に暮らす人には耐震補強を提案するといった具合だ。住友林業のもっているブランドイメージや、独自のノウハウが受注を後押しする。
「MB(マルチバランス)構法により、住友林業の新築は耐震などの品質が担保されています。ただ、そうではないお客様、とくに古い住宅に住んでいる方々は生活の様々な点で不安を抱いていらっしゃる。また、必要に応じて柱や梁を残すなどの『木質感』を出すことにもこだわっています」
3分の1が20代、採用+育成強化が必須
年月 | 従業員数 | 新卒採用 |
2017年4月 | 1832人 | 46人 |
2018年4月 | 1884人 | 47人 |
2019年4月 | 2041人 | 105人 |
2020年4月 | 2156人 | 86人 |
2021年4月 | 2148人 | 30人 |

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