積水化学工業のリフォーム事業を担う「セキスイファミエス」は、介護事業を行うセキスイオアシス(愛知県名古屋市)と連携を取り、「介護と住まいの相談員」の育成強化に取り組んでいる。社内資格制度として2010年から本格的にスタートし、全国のセキスイファミエス営業担当者を中心に、現在までに263名が資格を取得。2013年度受講予定者全員が修了すれば、320名となる。
同相談員の資格取得に必要な研修を、同社が運営する高齢者の在宅介護サービス施設「セキスイオアシスセンター」の介護現場で行うのが特徴。3日間にわたるカリキュラムでは、デイサービスの送迎を実際に行うことで自宅の外出のしにくさを実感したり、デイサービスの現場でも食事や入浴、トイレ介助をスタッフの指導の下に行う。
また、軽度~重度(認知症を含む)の高齢者に接することで介護負担の違いを体得し、高齢者の動きをもとに自立を支援して、終の棲家(ついのすみか)となりうる住環境の必要要件を理解していく。最終日は、体得したことをリフォーム社提案につなげる演習も行う。同幹部では「セキスイハイムに住む平均世帯主年齢が現在では60歳を超え、今後も健康を維持し介護を予防する住まいを提案するためには、介護の現場で得られた知見の活用が有効と考えた」と説明している。
また、「相談員になったことで、たとえば水まわりの老朽化に伴い浴室の交換を検討するお客様に、将来のことを考えると脱衣室、トイレ、さらにはキッチンまで水まわりをトータルに見直すべきと自信を持って伝えられる若手営業担当が増えました。お客様のほうでも、相談員が提案するプランの根拠と説得力に後押しされリフォームした結果、工事中の心身的な負担を実感するため、まだ元気なうちに将来までを考え、まとめてリフォームしてよかったと喜んでいただいています」とも話している。

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