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床材は「機能性」を最優先に選ぶ

床材は「機能性」を最優先に選ぶ

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床材はフローリングからカーペットまで多種多様。住まいの床選びは色柄やデザインにとらわれがちだが、部屋に求められる「機能性」で選ぶのが最優先。床材の特徴を知って、部屋の用途に適したものを勧めよう。

シェア広げるフローリング

 現在、新築住宅の床はフローリングが8割以上を占めている。フローリングには単層と複合の2種類がある。

素材感・温かみのある無垢材フロア

単層フローリング

 単層フローリング(①)には、無垢の板材が使われる。木の種類は、ナラ、ウォールナットなどの広葉樹やスギ、ヒノキ、アカマツなどの針葉樹が多い。無垢材は空気を多く含んでいるため温かみがあり、湿気の多い季節は余分な湿気を吸収するので、夏は素足で歩いてもべとつかない。自然志向の高い人や子供のいる家庭で人気がある。

 しかし湿度の変化によって膨張と収縮を繰り返すので、反りや割れなどが生じるという弱点もある。無垢材のフローリングを採用する場合は、この点を把握した上で選ぶことが必要だ。無垢材単層フローリングの価格は坪当たり約3~8万円。

耐久性に優れる複合シートフロア

複合フローリング

 複合フローリング(②)は、基材の表面に単板(化粧材)を張った床材だ。化粧材は、薄く削った天然木の単板(突き板)と、オレフィンなどの樹脂化粧シートがある。特徴は反りや伸び縮みが少ないので耐久性が高く、施工が楽なこと。

 突き板フローリングは、天然木を厚さ0・3ミリ程度から1ミリ程度に薄く削り、合板に張り合わせたもの。合板と合わせて12~15ミリというのが一般的だ。張り合わせる木の種類は、ナラやサクラ、カバ、ブナなどがある。突き板フローリングの価格は坪当たり約1万50
00~2万円。

 樹脂化粧シートは、樹脂やオレフィンなどのシートに、木目や石目柄を印刷したもの。なかでもオレフィンは、硬質で傷・汚れ・薬品に強く、手入れも楽にできる。色柄などデザインバリエーションが多いのも長所だ。

 複合フローリングは基材の組み合わせや塗装方法によって、さまざまな性能がある。例えば耐水性に優れるタイプは、キッチンやトイレなどの水まわり空間に使用される。このほかに、キャスター付き家具や車イスに強いメラミンシートもある。価格はオレフィンシートで坪当たり約2~3万円。

安価で簡単設置のクッションフロア

 クッションフロアは、表面が厚手の樹脂で緩衝材が裏に付けられた素材で、床に接着剤で貼り付けて使用する。この簡単施工と、他の床材に比べ坪単価は3千円台もあり、安価なのが強み。樹脂製であるため表面の形やデザインが豊富で、歩行感がソフトで保温性もある。耐水性が高く、キッチンやトイレ・洗面所などで多く使用される。表面強化によって特に傷、へこみに強い商品も。車イスが出入りするエリアや、玄関周りまで使われることもある。

使い勝手の良いカーペット

インテリア化進むカーペット

 カーペットは保温・防音性があり、簡単設置できる床リフォームだ。タイルカーペットは、使用する空間で、タイルのように敷き詰め、部屋のサイズに合わせて施工できる。

 1枚あたりの大きさは45センチ角や50センチ角が多い。頑固な汚れや大きな傷があれば、その部分だけ剥がして敷き替えればよい。置く位置やサイズで気分を変える楽しさもある。タイルカーペットの価格の目安は坪当たり約7000~2万円だが、それより安いものもある。また従来の機能性と手軽さに加えて、インテリア性を高めた商品も出ている。

 このようにさまざまな機能のある床材だが、選ぶに当たっては、空間のイメージとデザイン提案が簡単にシミュレーションできるアプリが、メーカーから出されている。

 住空間で人が長時間接触するのが「床」。複合フローリングの性能は多種多様。部屋の用途によって、何を重要視するのか、明確にしておくことが大切だ。(価格はいずれも消費税、施工費別)

床材比較表

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