短工期、簡単施工を実現
わずか1日でドアのリフォームが完了。大手建材メーカー三協立山(富山県高岡市)が始めたリフォーム用ドア「NOVARIS(ノバリス)」は短時間で工事が終わるユニーク建材。従来型のドアとどこが異なるのか、開発の狙いなどについて聞いた。
既存のドア枠に、リフォーム枠を取り付けるというカバー工法。
午後2時に完工も
「このドアは他のドアと根本的なところで差別化された商品」。こう話すのは技術開発統括部商品企画部商品企画課主事の三浦隆弘氏。その根本とは「1日」というきわめて短い工期と簡単施工を実現しているということ。これによって、ユーザーはリフォーム特有のストレスがなく、わずかな期間でドアをリフレッシュすることができる。「例えば10時に工事が始まったら、だいたいは午後2時か3時に終わります。その日には次の仕事がまだできるような、そんな時間の余裕さえ生まれます。実際に2現場こなす業者もいるほど」と三浦氏は話す。
その短工期を実現している技術は何か。それが独自のカバー工法だ。「ノバリス」を施工する際、既存のドア枠を壊すことはない。この枠の上に「リフォーム枠」と同社が呼ぶ新たな枠を取り付ける。その後、ドア本体をはめ込み、既存枠を隠し、意匠性を高める「化粧カバー」を内側と外側に取り付けるだけというもの。
実は同社ではリフォーム用ドアとして「ラフォースR2」という商品をすでに7年ほど前から発売しているが、今回はそのドアのさらに進化させたもの。具体的には「化粧カバー」の取り付けがより簡単になるよう改良が加えられているのだ。
既存の枠の「化粧カバー」。設置する際の長さをカットしやすくしたことで施工性を高めた。
化粧カバーにこだわった
化粧カバーは既存のドア枠や玄関ドアに隣接する壁に合わせて、そのサイズをオーダーで調整する必要がある。この調整をどうやるのかというと、化粧カバーはある程度余裕を持って大きく作られており、適正な長さに現場でカットするという方法。実はこのカットが以前よりも楽になっているのだ。具体的にいうと、化粧カバーには小さな溝が数ミリ間隔で連続して入っており、最適な長さの位置を折り曲げればバリッとカットできるというもの。溝の位置に切れ目を入れる専用カッターも用意しているため、現場で電ノコを使って切り落とすというような、大がかりな施工が必要ないのだ。
そのため静かに施工することができ、リフォームユーザーの困りごとの一つである「騒音」問題のリスクを抑えることができる。「カッターで3 ~4 回切れ目を入れて、ペンチで曲げれば切れる。以前の商品はもう少し固く、カットしにくいというお声をいただいておりましたので、これを改良しています」(三浦氏)。

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