有料会員登録で全ての記事がお読みいただけます

【コロナ禍を逆手に】YKKAP、コロナで苦肉のネット研修好評

【コロナ禍を逆手に】YKK AP、コロナで苦肉のネット研修好評

このエントリーをはてなブックマークに追加

リアルとオンラインのハイブリッド研修を推進

YKK AP(東京都千代田区)は、全国のリフォーム店やサッシ流通店に昨年度だけで年間500件を超える出張研修を実施していたが、コロナで開催が不可能に。その代替手段として始めたオンライン研修だったが、逆にリアルにはないメリットにより、参加者から高評価を得ている。今後は、リアルとオンラインの良さを活かしたハイブリッド展開で開口部リフォームの周知と拡販を狙う。

YKK AP リノベーション本部 営業統括部 営業推進部 清水 陽介 氏YKK AP リノベーション本部
営業統括部 営業推進部 清水 陽介 氏

実際の研修の様子をチラ見せ!

「夜討ち朝駆け」状態の全国行脚

コロナ以前、YKK AP(東京都千代田区)は、全国のリフォーム店やサッシ流通店に対し、ショールームに招いての集団研修や店舗を訪問しての出張研修を展開していた。

同社は多くのリフォーム商材を提供しているが、例えば、1日で工事が完了できるカバー工法はユーザーには便利な一方、事業者側は採寸から施工まで現場で異なり、細かな調整が必要な難しさがある。加えて窓メーカーは、リフォーム店と直接の接点が持ちにくい。開口部リフォームに積極的に取り組む業者が少ないことを、普及の課題と感じていた。

そこで5年ほど前から、「住まいの価値は、窓・開口部で変えられる」のコンセプトで、全国のリフォーム店やサッシ流通店に商品情報や施工技術などのプレゼンを実施。昨年の同社が実施した出張研修件数は年間500件超まで拡大していた。

「みなさんお忙しいので『朝イチがいい』『夕方しかそろわない』などのご希望があり、『夜討ち朝駆け』状態で一店、一店を回りました。ミニサンプルを持参し全国行脚する担当者の奥武雄は、『寅さん』と呼ばれていました(笑)。非常に属人的ですが、彼が説明すれば『まずは1物件、使ってみよう』と採用され、効果がとても高い。『時間をかけてもやっていこう』と盛り上がっていたところにコロナが起きました」(清水陽介氏)

商品の特性などの紹介は資料を使ってコンパクトに行う_1YKK AP 商品の特性などの紹介は資料を使ってコンパクトに行う商品の特性などの紹介は資料を使ってコンパクトに行う。説明をしているのがYKKAPの寅さんこと、奥武雄氏。

リアルよりも講師の顔や声に注目

4月はメーカーの新商品発売の時期であり、行政の補助金支援などの発表もある。だが、ステイホームでは、準備を重ねて来た「『かんたん』リフォーム!」シリーズの新商品を誰にも見てもらえない。自ら「アナログ人間」という「YKK APの寅さん」も、苦手なMeetを使ったオンライン研修と格闘を始めた。

「集中できる60分以内に時間設定し『今は、この話ですよ』など、リアルな時より丁寧に説明しました。途中で三択問題を入れたり、『疲れていませんか?』とチャットしたり、相手の顔が見えない分、コミュニケーションを工夫しました」(奥武雄氏)

スマホ1台あれば、移動なく知識を得られるオンライン学習は受講者にも都合がよかった。キャパシティーの問題もないので、県をまたぐ問屋などの大勢の社員もまとめて参加が可能だ。さらに思わぬメリットも発見したという。

「カメラのズームアップで参加者全員に商品の細部までお見せしやすいということがありました。また受講者からの『リアルの時より講師の顔を見るようになった』『スライドや話す声に集中しやすい』という感想も驚きでした」(清水陽介氏)

リアルに商品を体感+オンライン研修

通常活動に戻りつつある中でも、「研修はオンラインでやって欲しい」という声も多く、現在、力を入れているのは「オンライン研修 施工ライブ」だ。商品情報などはパワーポイントなどで説明し、施工や質疑応答はライブで行う。一方、同社はものづくりメーカーだ。商品を「触って欲しい、体感して欲しい」という強い思いはオンラインでは実現できない。

「今後は、リアルにお客様に集まっていただいたり、お客様のところに営業担当者が行き、商品を見てもらって意見交換することをメインに、開発者などの技術畑の人間がオンラインで行う技術的な説明や施工実演を組み合わせるようなオンラインとオフラインのメリットを生かしたハイブリッドな流れを考えていきたいと思っています」(清水氏)

ykkappr_5.jpgYKK AP 施工実演の様子施工実演の様子。窓枠のサイズ確認など具体的にわかりやすく伝える

季節に合わせた商品提案

商品紹介の内容も夏場であれば省エネ対策、台風の時期であれば防災など季節に合わせた提案ポイントを意識している。例えば『かんたんマドリモ』の研修では、コロナの影響もあり注目の集まる「換気効果」について。開かない窓を開閉窓へ、引き違い窓を風をキャッチする窓へ、それらが壁を壊す必要もなく短期間でできるのだ。ただ窓を開けるだけでは十分な換気効果を得られないこと、換気のコツといったノウハウも研修では伝える。それにより、参加者が実際に消費者へ提案しやすくなるのにつながっている。

YKK AP 短時間で施工が可能なマドリモ短時間で施工が可能なマドリモ

YKK AP 開かない窓を開閉式に開かない窓を開閉式に

問い合わせ先

YKK AP ロゴYKK AP (東京都千代田区)
TEL:0120-20-4134(月曜~土曜11:00~16:00)
URL:https://www.ykkap.co.jp/info/ventilation_reform/


商品紹介
YKK APの「かんたんマドリモ・ドアリモシリーズ」は、壁を壊さずに省コストで短時間に窓・ドアを交換できるリフォーム商品です。
既存窓の内側に取り付けられる「かんたんマドリモ 内窓プラマードU」は、約1時間で二重窓に。取り替える「かんたんマドリモ 断熱窓」は、壁を壊さず、既存の窓枠の上に新しい窓をかぶせるカバー工法で約半日のスピード交換。「かんたんドアリモ」は玄関ドア、引戸、勝手口ドア、浴室ドアなど住宅のさまざまな出入口を交換可能です。
窓や玄関をリフォームすることで、夏場の日射熱や換気対策・冬場の断熱効果が高まり、冷暖房効果が向上し一年中過ごしやすい室内を保つことができます。

毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE

リフォーム産業新聞社の関連サイト

閉じる