大建工業、ふく射による冷暖房システム普及へ

体感可能なショールーム開設

大建工業（大阪府大阪市）は、全空気式床ふく射冷暖房システム「ユカリラ」の普及に注力している。

全空気式床ふく射冷暖房システム「ユカリラ」の仕組み

ユカリラは、エアコンの風をダクトを通して床下に送り込み、床からのふく射による冷暖房を実現したシステムだ。エアコンからの風を室内に向けて出すのではなく、床のふく射パネルに送り込む仕組みのため、風が肌に直接当たらず、ホコリが舞いにくい。流路を組み込むことで床下の隅々まで空気を送り込むことを可能にし、温度ムラが少なく快適な室内環境にすることができる。また、全室空調が可能で、部屋ごとの温度差を小さくすることができ、ヒートショックの予防にもなる。

2018年より販売を開始した同システム。健康・快適・省エネな住空間へのニーズの高まりから、温熱環境に配慮した空間を提供するために空調にも事業領域を広げ、発売した。昨年４月には温熱環境に関する事業を専門的に担う「快適空間部」も設置。

さらに今年4月には、認知拡大を目的に、同システムによる冷暖房の心地良さを体感できる「ユカリラ体感ショールーム」を東京にオープンした。体感室を2部屋設け、1年を通して冷房と暖房のどちらも体感できるようにしている。

「これまでユカリラの心地良さを言葉で伝えてきましたが、体感していただかないことには伝わらない。快適空間部ではなぜ快適なのかのバックデータとなる数字を蓄積してきたので、それもこの場を使って伝えていきたいです。理屈と体感を合致することでより深い納得感を得ていただけたら」（上席執行役員・国内製造本部・内海健一氏）