帝人フロンティア、遮熱塗料を発売

夏に素足で屋根を歩くことも

帝人グループの商社である帝人フロンティア（大阪府大阪市）は、8月から遮熱塗料「Solfrio」の販売を本格的に開始した。熱を帯びず溜めない特性により、塗装した屋根を夏に素足で歩くことも可能だ。

一般的な遮熱塗料の塗膜断面（左）に比べ、熱を帯びず溜めない特性を持つSolfrioの塗膜断面のイメージ（右）

「これまでの塗料は断熱性がほとんどで、時間の経過とともに熱が吸収されてしまいます。弊社では、熱を帯びない・溜めない膜、加工性が良い、環境に配慮したものを作ろうと2016年に着手、4年かけて開発を進めてきました。外気温程度にしか塗装の表面温度があがりません」（開発プロジェクト担当・藤岡嘉高氏）

Solfrioは「高い遮熱効果」「平滑で光沢のある塗装面」「薄い膜厚と高硬度な表面」「幅広い素材に対応可能」という4つの特徴を持つ。平均粒径0.5μmの真球状特殊ファインセラミックスが均質に配置された塗膜を形成することで、太陽光に含まれる近赤外線を効率よく反射し、塗装面の温度上昇を抑制。また、塗膜の標準的な厚みは80μmと薄く、常温乾燥にも100℃までの焼付による強制乾燥に対応するため、作業効率が上がる。さらに表面硬度が高硬度なため塗装面にキズがつきにくく、屋外で10年の耐久性が認められている。

金属素材、およびプラスチックや炭素繊維強化プラスチックなど、幅広い素材に使用できる。重ね塗りの必要もなく1回塗り効果を発揮する点も特徴だ。

まずは屋根や外壁、エアコン室外機、分電盤などの屋外設備向けに販売を開始。その後、屋外スポーツ施設・器具やコンテナ、住宅など幅広い用途に展開していく予定だ。