塗っただけで難燃木材となるガラス塗料が亀村木材(千葉県香取市)の「ファインクリスタル」だ。同製品は塗布するとガラスの性質を持つ塗料。塗料が硬化した後は木材自体が、炎を当てても燃焼しなくなる。発熱性試験(コーンカロリーメーター試験)では、0.1mmの塗膜で全く木材自体に火が付かない状態が3分続き、その後の発熱量も規定値の半分以下という結果を残した。
木材の風合いを生かした施工が可能
加えて撥水性が高くなるため、水汚れに対する防汚効果を持つ。木材外壁に塗装する場合、塗り替えの目安は10年程度。カラーベストなど無機質の屋根には20年間の耐候実績がある。
開発したのは4代目の現社長、亀村俊二氏。同社は明治11年に創業し、製材業を主事業に進めていたが、木材の不燃化、ガラス塗料に着目したのが、きっかけとなった。
「当時、バブル崩壊やリーマンショックの中で、ただ木材を売っているだけではだめだと感じ、木に付加価値を付けようと思いました。そこで常温ガラスの技術を持つ早稲田大学の森実敏倫博士の元で学び、塗っただけで燃えなくなる塗料開発を行いました」(亀村社長)
施工するためには講習会を受講し、施工協力店として契約を行うことが必要。現在、施工協力店は全国に244社。コロナ禍では講習会の開催を見送っていたが昨年12月には2年ぶりに開催した。
「難燃と語っている以上、より誠実な施工をしてくれる協力会社の方と出会いたいと思っています。今後は1000社の参加を目標に講習会を開催し、協力店を増やしていきたいです」(亀村社長)
亀村俊二社長

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1655号(2025/07/07発行)1面
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)23面
-
1654号(2025/06/23発行)23面