TOTO(福岡県北九州市)の2013年3月期決算は3期連続の増収増益だった。売上高は前年度比5%増の4762億円、営業利益は同25%増の233億円となり、営業利益はリーマンショック前の水準まで回復した。
好業績を牽引した国内リモデル事業は前年度比4%増の2581億円、営業利益は同28%増の182億円。このほか海外住設の売上高が前年度比20%増の751億円と大幅な伸びを記録。新領域を除くすべての分野で売り上げが前年度を上回った。
説明会に登壇した張本邦雄社長は「国内リモデル事業の好調に加え、コストリダクション活動で増益となった」と話す。同社では商品のプラットフォーム化、生産拠点再編、物流の見直しといったコストリダクションを進め、過去3年で105億円の効果を生み出してきた。特に11年には便器を14品番から2品番まで減らし、プラットフォーム化対象便器の在庫を20%削減することに成功。今年度もコストリダクションで31億円の効果を見込む。同社ではこのまま好調を維持し今期計画は売り上げ5170億円、営業利益290億円を掲げた。
ただ、将来的なリスク要因もある。1つはアベノミクス効果による株高の崩れ。張本社長は「株価が消費マインドに影響する」とし、今後予期しない株安が起きると需要が落ち込む可能性がある。
2つ目が、中国住設の利益減少。12年度決算の売上高は現地通貨レベルで6%増の29・1億元と増収だったが、営業利益は0・2%減の5・7億元となり、海外住設の柱である中国の利益が横ばいの状況。これは人件費の上昇や4月稼働した上海の開発センターの経費などが影響した。
3つ目がキッチン事業の赤字。赤字解消のため、3工場を2工場体制にした上、クリナップとの共同配送を開始。13年度中には共同配送の全国展開が完了し、約20%の輸送コスト減につながる見込みだ。これにより張本社長は黒字化転換時期を「遅くとも15年度中」と話す。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1655号(2025/07/07発行)1面
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)25面
-
1654号(2025/06/23発行)23面
-
1654号(2025/06/23発行)23面