有料会員登録で全ての記事がお読みいただけます

簡易断熱診断システムを商品化J建築システム

簡易断熱診断システムを商品化 J建築システム

このエントリーをはてなブックマークに追加

国の長期優良化住宅リフォーム推進事業が始まり、既存住宅の性能向上がますます重要視されている。その中で、住宅の省エネ化促進のツールとして、断熱診断パッケージの商品化を目指しているのが、J建築システム(北海道札幌市)の手塚純一社長だ。

アラミド繊維使い、開口部を耐力壁に

 木造構造計画の専門家である手塚社長は、1992年に同社を設立。20年以上にわたって耐震構造のシステム開発に取り組み、独自のシステムやノウハウを工務店やビルダーに提供している。木造住宅の開口部を耐力壁にする木造のフレーム枠「J-耐震開口フレーム」は、その代表だ。

 1階の玄関や窓などの開口部が大きいと、壁が地震時に大きくねじれ、倒壊する危険が高い。そこで、手塚社長は、鉄筋コンクリート造などの補強用として使われていたアラミド繊維に着目し、接合部をアラミド繊維シートで補強したフレームを開発。このフレームを設置すると、開口部を残したまま、壁の耐震性を高めることができる。

 ユニットバスを耐震化する「シェルターユニットバス」も、同社長が提案した耐震補強システムだ。「ユニットの開口部に『J-耐震開口フレーム』を設置すると、耐力が向上し、いざという時の避難設備になります。水やトイレなど、緊急時に必要な機能も生かすことができます」

断熱からリフォームまで一貫診断

 手塚社長が新たに商品開発を目指しているのが、簡易断熱診断システム「JJJ断熱診断」だ。

 従来の断熱診断では、壁の断熱材の状態や、床のすき間の有無などを調べるため、大掛かりな実況見分が必要だった。

 新たな診断システムでは、建物の画像処理と診断プログラムを一体化させ、簡易で高精度な診断パッケージとして商品化する計画だ。赤外線カメラで建物の熱画像を実写測定し、専用のソフトウエアを使ってデータを解析。部位別の熱貫流率(U値)を算出するほか、改修前と改修後の冷暖房エネルギー費を算出して比較が可能。さらに、省エネ性能をアップさせるための断熱仕様と、その見積もりを表示することができる。

赤外線カメラと断熱診断プログラムをパッケージ化
赤外線カメラと断熱診断プログラムをパッケージ化

 「断熱診断からリフォームの見積もりまで一貫して算出するシステムは、業界初。地域の工務店に活用していただき、リフォーム受注につなげてほしいですね。」耐震による安全と安心に加え、省エネなどの地球的な視野に立ち、さらなる技術開発に取り組みたい、と手塚社長は意気込みを語る。

毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE

リフォーム産業新聞社の関連サイト

閉じる