大気の熱で湯を沸かす高効率給湯器
いまや電気温水器を上回る出荷数で、急速に普及している高効率給湯器「エコキュート」。主に割安な夜間の電力を使用し、省エネ性、経済性に優れているため、設置する家庭が増えている。リフォーム時の導入にもメリットの多い、エコキュートの特徴とポイントについて取り上げる。

BHP-FV46PDの貯湯ユニット 画像提供/日立アプライアンス
電気使用量を3分の1に抑えられる
「エコキュート」とは空気中から熱を集めて圧縮し、高温にして湯を沸かす給湯器。その熱エネルギー量は、電気エネルギーを1とすると約3倍にも達する。これによって、以前の電気温水器と比較して、電気使用量を3分の1に抑えられるようになった。
さらに、最新型の機種は、熱を集める効率を向上させ、生活に合わせた最適な運転モードに設定できるほか、断熱性の高い貯湯ユニットで、お湯が冷めにくくなっている。より節電に貢献できる製品となった。
省エネ性以外でも、地震等によるタンクの転倒防止策として脚の強度、設置方法に配慮。2カ所同時に給湯した場合でも湯圧が弱まらず、パワフルにシャワーを使えるようになっている。都市部に多い3階建て住宅でも、シャワーはもちろん湯張りも対応するなどの利便性が向上した。
2カ所同時に利用しても、パワフルにお湯が使える
ガス給湯器の5分の1から8分の1
こうした省エネ性、経済性が支持されて、昨年、累計出荷台数が400万台を突破するなど、急速に普及している。実際のランニングコストは4人家族の場合、ガス給湯器の5分の1から8分の1になるといわれる。
従来型の都市ガス給湯器との比較
イニシャルコスト高と電気代ダウンを天秤に
注意すべき点は、一般的に機器価格が他の給湯器と比較して高価であることだ。一般的な4人家族用の価格は、70万~90万円ほどとなっている。このイニシャルコストと電気代がダウンする分とを、天秤にかける必要はある。
それでも、エコキュート機器補助金の制度を設けている地方自治体もあるので、役所窓口や電力会社に必ず問い合わせたい。
お湯のタンクの取り付けが必要
リフォームによる「エコキュート」の設置にあたって、必ず確認が必要なのは機器の設置場所だ。特にガスや石油からの転換の場合、お湯のタンクの設置スペースを確保しなければならない。最近は幅が広いスリムタイプや、奥行きが狭い薄型タイプもあり、設置場所の選択幅が広がっている。
東日本大震災以降、オール電化の訴求力が弱まったこともあり、一時需要が伸び悩んだものの、「エネルギー効率」、「光熱費の安さ」「安全性」から普及が見込める製品と言えるだろう。

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