住宅ストック市場の新シナリオ13
keyword 09◆ 地震対策
地震大国ニッポン。東日本大震災、熊本地震といった巨大地震がたびたび起こる中、生活者が地震被害に遭わない家づくりが今後ますます求められてくる。ミサワホーム(東京都新宿区)の取り組みを紹介する。
地震が起こるとすぐに震度、建物、地盤の被災度ランクが表示される
避難の判断材料に
「揺れが収まりました。震度6、建物の被災度3、地盤の被災度2、点検を依頼してください」。地震が起こると住宅用被災度判定計「GAINET(ガイネット)」から、こんなアナウンスが室内に鳴り響く。実はこの装置、ミサワホームが今開発、普及に取り組む地震対策商品だ。
「判定計のアナウンスを聞いて、自宅から避難すべきかどうか、住宅のメンテナンスを依頼すべきかどうか、判断指標になる」と話すのは、商品開発部担当部長の向山孝美氏。
長年ミサワホームの住宅開発を手掛けてきた向山氏が今最も力を注いでいるのがこの「ガイネット」。「地震が起きたら即座に安全行動を取ってもらうため、そして、なるべく早期に我々が復旧対策に乗り出せるようにすること、これが開発の狙いです」
反応速度は早い。「地震が起こると携帯などに緊急地震速報が流れますが、ガイネットではそれよりも2~3秒早く反応するような仕組みになっています」(向山氏)
左の機器がセンサー。基礎に付ける
5段階で評価
判定計のモニターに表示されるのは、地震の震度、建物の被災度(5段階評価)、地盤の被災度(3段階評価)だ。特に建物と地盤の被災度が、地震が起きてすぐに分かるというのが大きな特長だ。
では、建物の被害状況をどのように判断しているのか。「地震波を捉えるセンサーが住宅の基礎に取り付けられています。建物がどれくらいダメージを受けたか、という被災度判定は、地震波から建物の揺れの度合いを予測し、その揺れから被害状況を自動的に判定するという仕組みです」(向山氏)
判定度5はほぼ全壊に近いダメージ。4はなんらかの損傷あり。3は安全に問題がないが点検が必要なレベル。2はクロスの破れなどの軽微な被害、1は被害なしとなる。

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