屋内型レンタル収納スペースのニーズが拡大
日本では「貸し倉庫」「レンタルコンテナ」などともいわれ、主にロードサイドに出店。法人の文書や在庫商材の保管場所としてのイメージが強かったトランクルーム。しかし、海外では「セルフストレージ(セルフサービスの倉庫)」と呼ばれ、個人のレンタルスペースとして普及・活用が進んでいる。
2017年トランクルーム(屋内・屋外含む)市場
海外で普及セルフストレージ
最も普及が進んでいるのはアメリカで、1960年代、テキサスの石油掘削の出稼ぎ労働者の収納スペースとしての利用が始まりといわれる。その後、80~90年代にかけて、不動産投資先として事業の収益性や安定性が注目され、供給量が増加。認知度が一気に高まり、ライフスタイルの選択肢として利用者が拡大する。年平均10%の伸び率で成長し続け、現在は約2兆円市場、普及率は10世帯に1世帯までに達している。
そのほか、1970年代後半にオーストラリアやニュージーランド、1980年代にはイギリス、フランス、スペイン等ヨーロッパ各地へ広がる。アジアでは、日本、香港、シンガポールをはじめ、中国、マレーシア、フィリピン、韓国、台湾、タイなどでも展開している。日本でも、最近は個人の「レンタル収納スペース」としてのニーズが高まっている。
世界のトランクルーム市場の歴史と現在の供給数
国内市場2020年700億円へ
2016年の日本のトランクルーム市場規模(屋内・屋外含む)は、2008年と比べ倍増の500億円を突破した。延べ室数は37万室超、店舗は8000店舗となった。これは国内のファミリーレストラン総数9400店舗に迫る勢いだ。
世帯普及率は300世帯に1室で、まだ0.3%だが、手堅い需要があり、供給量の増加が見込まれるため、東京オリンピック開催の2020年には700億円を上回る市場に成長すると予測されている。
屋内型トップ企業キュラーズ
屋内型トランクルーム市場では、2008年から上位3社は変わらず、キュラーズ25%、ライゼ14%、エリアリンク11%で、マーケット全体の半分を占める。
屋内型の国内主力企業のシェア率
屋内型のトップ企業であるキュラーズ(東京都品川区)は、9月現在、全国10都市で57拠点、ユニット数は3万4000室に及ぶ。1000~3000平米、300~1000室数を確保できるビル1棟をそのまま店舗とするビジネスモデルで、駐車スペース、空調設備を完備し、"収納コンシェルジュ"を常駐させるのが、こだわりだ。

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