創業105年を迎えた大野建設(埼玉県行田市)はカスタマーサポート部を新設し、OB客への訪問営業を開始した。専任の女性スタッフが顧客宅を回ることで、月間5件ほどの受注に結びついている。
同社では約2000件のOB客を持っており、そこに対する積極提案を行うためカスタマーサポート部を設けた。そこではアフターレディと呼ばれる女性スタッフが専任でOB顧客を回る。昨年はテスト的に築10年以上の顧客宅を500件ほど訪問。平均すると大型改修も含め月5件ほどの受注につながった。
訪問時には住まいの悩みを聞き出すとともに、市内の太陽光補助金の話や耐震診断サービスなど営業的な説明をした上、提案用の複数のチラシも渡している。

▲OB訪問時配布しているチラシ
OB訪問強化したからか、今期は昨年度8件だった500万円以上の工事を、半期で6件受注した。リフォーム売上高は受注ベースで前期から5000万円アップの5億円を見込む。
大野哲矢執行役員、住宅・リフォーム部部長はカスタマーサポート部を新設した理由を次のように話す。
「新築後は50年までアフターサポートを行っていますが、5年点検から10年点検や10年点検から20年点検の間は、お客様との接点が年末の挨拶以外にないわけです。リフォーム受注は9割がOBのお客様からですが、今までは受け身の受注体制だったものに攻めの受注活動を加えました」
また、同社では植木の散水・消毒や家具の移動など、特に高齢者に向けた生活支援サービスを「なんでも事業部」で行い、OB客の需要掘り起こしを行っている。
「この前はお客様の中に2日間出かけるので犬の散歩を頼みたいという話になりました。そこから一人身なのだということがわかったので、減築など、より生活に密着した提案ができるようになります」(大野氏)

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