・平野工務店は住宅の買取再販事業を手掛け、経営を安定化
・一案件利益は200万円程度、水まわりの交換と床、壁など表層の回収が主
・買取再販を手がけることで、複数の事業運営による安定化が狙い
買取再販で5000万円売り上げ
零細工務店の生き残り策は買取再販にあり―――平野工務店(兵庫県神戸市)は、住宅の買取再販事業を手掛け、経営を安定させている。同社はリフォームを主体に年商1億5000万円を稼ぐ企業だが、うち5000万円を買取再販事業であげている。その狙いは、閑散期の収入確保にある。
職人の隙間の日程で、無理なく工事を行う
利益は200万円
同社の買取再販事業はシンプル。日頃から付き合いを持つ不動産会社7~8社から、リフォームが必要な売却物件の情報をもらい、その不動産会社と売値とリフォーム内容を相談した上で購入し改修。その不動産会社を通じてエンドユーザーに販売するというもの。
戸建て、マンション問わず購入し、1物件あたりの平均購入価格は1000万円、これに原価で250万~300万円のリフォームを行い、1500万円程度で販売する。利益は200万円程度だ。
リフォームの内容は水まわりの交換と床、壁などの表層の改修が主。劣化が少なく生かせる部位は生かす。
昨年初めに販売した築35年67平米のマンションは、670万円で買い取り、250万円かけてフル改装。1300万円で販売した。水まわり4点を普及価格帯のハウステック製品に入れ替え、床とクロスを張り替え、間取りは4Kから3LDKに変更した。スケルトンにはせず、建具は既存のものを利用した。
この物件は改修中に購入者が決まった。安心できる場所で母親を生活させたいという息子が購入し、住まわせることにした。
「リフォーム会社が買取再販を手掛けるメリットは2つ。1つは原価でリフォームできるので他社の販売よりも安く提供できること。2つ目が、アフターフォローも行うので、不動産会社の皆さんが安心して販売してくれること。後者は信頼関係上非常に重要ですね」(平野佑允取締役)

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