リフォーム会社にとって人材の離職は最大の経営リスクだ。離職防止のためには、従業員満足度向上が欠かせない。近年、リフォーム業界でも従業員満足度=ES(employee satisfaction)向上に取り組む企業は増えてきている。重要なのは労働環境を改善して過剰労働を減らすこと、社員が抱える課題や悩みを解消すること、働きがいを感じられる場を用意することの3点だ。
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島根電工、顧客より「社員ファースト」
(1)過剰な労働負荷を軽減せよ
見積もり「時短」ツール導入、月末の金曜は15時退勤
「お客さんも大切ですが、社員とその家族の方がより重要だと思って経営をしています」。こう話すのは島根県でリフォームで75億円も売り上げる島根電工(松江市)の荒木恭司社長だ。
同社の社員数は400人いるが、離職率はわずか1.7%。同社のESを優先した経営は、第三者の評価も高い。今年3月、「人を大切にする経営学会」が主催する「第11回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の中小企業庁長官賞を受賞している。
ポイントは過剰な労働負担を抑えることだ。同社では主に2つの取り組みを実施。1つは携帯情報処理端末「サットくん」の活用だ。同社は5万円以下の小工事が全体の7割を占めるのだが、これらのリペアは訪問した日に現地で見積もりを提出することを仕組み化。端末にリフォームメニューを入力すれば、見積もりが出てくるのだ。その場で契約が決まればそのままリペアし、同端末で請求書を発行して、集金して帰って来ることも可能。見積もり業務や移動時間がカットされ、残業も大幅減。社員の負担が激変した。
見積もり効率化端末のサットくん
もう一つの過剰労働抑制策が休みを増やしたこと。毎月末の金曜日の仕事は15時までで、なんと余暇を過ごすため4000円の手当も出る。この手当だけで月160万円もの投資だ。さらに月水金はノー残業デー。誕生日休暇まである。
「社員を大切にすれば、結果的にお客さんも喜んでもらえる」と荒木社長は話す。
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