キャンディルグループのバーンリペア(東京都新宿区、藤本 剛徳社長)は、住宅オーナー専用の会員サイトの構築・運用から、生涯顧客化を支援するコミュニケーションツール「ツナゲルクラウド」の提供を開始した。同サービスは・住宅会社が住宅オーナーに対して引き渡ししてから家に関する履歴や情報を蓄積・提供すること、・長く安心して快適に住み続けていただくために必要な相談やコミュニケーションの窓口として機能すること、・メンテナンスやリフォームなどの情報配信により、受注を促進することによって収益に繋げること、の3つの目的を果たすことができるサービスだ。
―――ツナゲルクラウドは住宅や建物の修繕・改修・維持・管理を手掛けるバーンリペアだからこその発想から生まれたサービスだとうかがいましたが?
藤本社長
当社では、住宅のアフター点検を年間8万件と数多く手がけ、15年ほど前からサービスを提供してきました。他にも傷を直すリペアサービスや、破れたクロスを貼りかえるなどのメンテナンスも行っています。このようなサービス提供を通して、住宅会社様の事情や体制もよく理解しており、住宅オーナー様からリアルな声を聴くこともあります。そこで、住宅を販売する側と購入する側の両者に課題があることが見えてきました。
点検サービスは瑕疵期間にあたる引き渡し2年後まではしっかり行うのですが、それ以降のアクションはほとんどないためお客様が別の会社から営業され、工事案件を持っていかれることがよくあります。
一方で、住宅オーナー様もメンテナンスの必要性に対する意識があまり高くないのも事実です。建物の保証の内容もあまり覚えていないというのが現状で、関係書類のファイルも押入れの奥にしまわれたままということもよくあります...。結果、建物は傷みますし、仮にリフォームしたとしても履歴が記録されていません。これが質の高い中古住宅の流通を阻んでいる要因の一つになっていると考えます。
新築減少に伴い、アフター体制で収益を上げていくビジネスモデルが重要となってきていますが、実際は対応できていない工務店様が多い。ハウスメーカー様などの大手は専門部隊をつくるなど組織体系化していますが、当社の取引先である地域のビルダー様や工務店様、建売会社様などは、アフターの体制をどう構築していいのか悩まれていて、期待したリフォーム受注の拡大に至っていないようです。これまでは、新築が売れることが重視されてきたので、アフターの問い合わせがあると自分たちのメインの仕事がストップしまうことから、アフターは"コスト だと思っている会社が多かったのが実情ですね。
株式会社バーンリペア 藤本 剛徳 社長
―――ただ、今後はアフター・メンテナンスを充実させていかなくてはなりません。ツナゲルクラウドのサービスは、アフター体制づくりに苦戦していたり、アフターはコストや手間ととらえていたりする住宅会社に向いたサービス内容ですよね。
藤本社長
ツナゲルクラウドは、住宅に関する情報の提供を行なったり、住宅オーナー様とコミュニケーションを図ったりすることで、住まいの窓口として活用できます。会員サイトを安価で月額利用できる当サービスと似たような商品は他にもありますが、システムの運用・販促活動も支援している点がツナゲルクラウドの一番の特長です。
また、このサービスを運用するためのコールセンターや、全国の現場へ行ける実作業部隊を持っているなど、サービスの運用をしっかりとサポートできる体制が整っていることも当社の特長の一つです。
アフター体制に苦戦中の中小新築工務店に最適
―――なるほど、導入会社に対するこのサポート体制は、長年メンテナンスやリペアサービスの実績を培っている御社ならではのサービスですね。ずっと新築主体で進めてきた工務店にとっては、運用するための人材を雇用する負担もなく、アフター工事を請け負う施工体制も新たに整備する必要がないのは魅力的ですし、時間や手間をかけず、安価で住宅オーナーとの"ツナガリ"が維持できるのはうれしいですね。
藤本社長
実際に今年4月からβ版の導入・運用を開始し、現在当サービスをご活用いただいているビルダー様では、既に効果を上げています。
こちらのビルダー様は、ピーク時、年間数百棟あった棟数が徐々に減少しており、「今後は、新築以外にアフターに注力していこう」という考えからツナゲルクラウドの導入に至りました。アフターについては、今までほとんど何も対応してこなかったので、売上もなく、創業以来十数年で蓄積した数千件にわたる顧客情報にも触れてこなかったという状況からのスタートでした。導入1カ月後から反響が出始め、問い合わせの2割が受注につながっています。残りに占める割合が多いのはクレームですが、「今まで何も言わずに離反していたお客様が声を上げてくださったと考えると、信用回復につなげる機会を頂けたことは良いことだ」と喜んで頂いています。一般的にはこういった会員サイトの場合、効果が表れるのは半年から1年先だと想定していたところ、すぐに受注が得られ、効果も見やすいと高評価を頂きました。会員サイトを作ったことが、住宅オーナー様に対して「今後アフターケアに力を入れていきます」という意思表示につながっているのだと考えます。サイトから配信しているメンテナンスに関する情報がきっかけで、「リフォームの相談もしてよかったんですね」という住宅オーナー様からの反応もあったそうです。
〈トップページ〉
〈住まいの書類〉
〈点検&メンテナンス〉
―――そうですね、新築を建てた会社にリフォーム工事は依頼できないと思い込んでいる消費者は意外と多いですよね。
藤本社長
想像以上に、「住宅を購入した会社に何を相談できるのか」を住宅オーナー様は知らないのだということがわかりました。それを伝えるのにこのサイトは有効だと考えています。
当社への点検サービスへの引き合いも増えております。今後市場がシフトしていくに従ってメンテナンスの重要性のニーズに応えていきたいと考えております。
バーンリペア(東京都新宿区)
TEL:03-5227-1301
『ツナゲルクラウド』は、住宅会社様が住宅オーナー様に対して、建物の保証状況などの情報はもとより、(1)住み始めて以降の家に関する履歴や情報を蓄積・提供すること、(2)長期保証制度のもとで長く安心して快適に住み続けていただくために必要な相談やコミュニケーションの窓口として機能すること、そして、(3)メンテナンスやリフォームなどのサービスを提供すること、この3つの目的を果たすための、住宅会社様と住宅オーナー様とをつなぐ"クラウド型コミュニケーションツール"です。
業務・費用に大きな負担をかけることなく、住宅オーナー様の生涯顧客化につながるようサポートします。

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