良好な温熱環境を備えた高齢者の家を増やす。国がまとめた住生活基本計画では高齢者の住宅の性能の低さを問題視しており、断熱・バリアフリー化が一定以上進んでいる家の割合は17%ほど。これを令和12年までに25%へと引き上げると発表している。現場でも断熱改修提案は進んでいるが、効果が見えにくい、メリットを伝えにくいといった課題があり、まだまだ十分に進んでいない状況だ。そのような中で工夫を凝らして断熱改修を進めている事業者の取り組みをリポートする。
新聞4コマ漫画でメリット発信
3日間の販促で断熱リノベ49件受注
「全国新聞をご覧ください。健康サプリや器具、アンチエイジング系の広告がどれだけ溢れているか。健康に関する市場は大盛況です。ですが、リフォーム市場は開拓されていない。住宅を快適な温度で過ごせば、サプリに頼らなくても病気のリスクが減るのに」と訴えるのは、サンプロ(長野県塩尻市)の広報担当であるコマツアキラ氏だ。
長野県で11年連続1位となる17億6000万円を売り上げるサンプロ(前期比1割増)。1500万円をボリュームゾーンに、500万円以上の高単価リフォームを年90件受注した。受注を大きく後押ししたのは、2020年秋に販売開始した断熱リフォームの商品「冷暖革命」だ。「断熱」という、とっつきにくそうな商材が、なぜ人気を集めるのか。
理由は3つある。ひとつは、同社の販促プロモーションが功を奏したこと。もうひとつは「断熱リフォーム」の商品価値を消費者にわかりやすく伝えたこと。そして、そのための導線をうまく構築したことだ。
同社がまず仕掛けたのは、42万部を発行する地元の『信濃毎日新聞』に毎朝連載されている4コマ漫画「あんずちゃん」とのコラボだ。3日間連続で断熱にまつわる4コマ漫画を掲載。150件ほどの問い合わせがあり、49件受注した。
「マーケティングには段階があり、第一段階は社名や商品名を認知してもらうことです。第二段階は、中身を知ってもらうこと。今回は断熱リフォームという未知の分野を周知するのに、地域新聞の4コマ漫画を利用しました。ターゲットは50歳代以上の方々で、新聞を読んでいる方が多いからです」と、コマツ氏は話す。
同時に80年代のロボットアニメに出てくるようなキャラクターも作った。このキャラクターが登場するテレビCMも放送。「一見、ふざけているようで、商品内容は真面目そのもの。このギャップを出すことで、視聴者の記憶に残ります」
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