空き家は国内に約850万戸もあり、住宅全体の13%を占める。今後さらに増えていくとみられ、利活用が求められている。リフォーム会社の中には、これをビジネスチャンスと捉え、賃貸物件化して貸し出したり、テナントを誘致して賃料を生む商業施設にしたりする動きが広がっている。「空き家で稼ぐ」最前線をリポートする。
地元の雇用創出と収益確保を両立
築49年の古民家を美容院へリノベ。同社の集客へとつなげる上で、地域の雇用の活性化を目指す
福岡県飯塚市を中心にリフォーム事業を展開するリビングデザインは、築49年の空き家を350万円で購入し、美容室「シェアサロンリブレ」として再生した。改修コストは約1500万円。外壁も内装もベースカラーは白で、ミラーの周りは木質感のある建材でコーディネートし、若者に来てもらえるデザインを意識した。
店舗は2020年6月にオープン。美容師からの応募があり、現在2人で営業中。2人は外部スタッフ。家賃はなく、毎月のサロン売上の40%をおさめてもらうという契約だ。美容室を経営したいが家賃を支払えるか不安という人が多いと考え、固定の家賃は設定せず、売上連動で利用料を払ってもらうことにした。現在サロン売上は月100万円ほど。この一部が同社の収益となる。
美容室内にはリビングデザインというリフォーム会社の宣伝パンフレットを用意。改修の受注にもつなげる狙いで、現在月4、5件の相談がある。これらの収益で投資額を5~10年で回収するというビジネスモデルだ。

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