共立理化学研究所(神奈川県横浜市)は、広島県との共同開発によるアスベスト検出キットをリニューアルし、販売開始した。新たにレベル3(その他石綿含有成形板)にも対応し、含有率2%以上のアスベストの含有を判定する。
新たな検出キット発売
1箱で20回の検査が可能
旧製品は、2021年4月の改正大気汚染防止法の施行前から販売を開始。試薬が入った袋に検査したい材を入れ、アスベストが含有されている場合、約10分でうす桃色から濃い桃色に変色する。測定できるのは、レベル1と呼ばれるアスベスト含有吹き付け材と、レベル2のアスベストと含有耐火被覆材、断熱材だったが、今回のリニューアルでレベル3にも対応可能となった。反応時間は5分と大幅な時間短縮を実現。また、色が見にくいとの声があったことから、標準色をプリントした用紙を追加した。
2022年4月1日以降に着工する解体・改修工事から、石綿に関する事前調査結果を労働基準監督署・自治体に報告する制度が開始。来年10月以降、資格者による事前調査が義務化される。同製品は、調査現場では経験に頼らない簡便・迅速なアスベストのスクリーニング法として販売を開始。すぐに建築物のアスベスト含有状況を調べることが可能だ。
ただ、本製品は石綿含有率2%以上を検出する簡易キットであり、検出されたとしても、みなし含有となる点に注意が必要となる。
同社開発部の永井孝氏は「2%以上であれば石綿含有みなし、2%以下なら試料採取・分析となります。キットを使うことで分析する箇所を絞ることができるので、分析費用の低減が期待できます」と話す。
価格は1万2000円(20回分)。新製品の販売目標は年間400個。販売後1カ月で既に100個を販売している。
開発部
永井孝氏

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