「新築そっくりさん」のブランド名で大型リフォームを手掛ける住友不動産(東京都新宿区)の500万円以上の受注件数は7099件となった。件数こそ微減だが、同ブランドの売上高は前期比4%増の1107億円に。平均単価(本紙試算)は12%増の約1420万円に伸びている。背景には「高断熱リフォームプラン」の需要が4割を占めるまでに増えたことがある。
4割に「高断熱プラン」実施
平均単価12%増の1420万円に
※2021年~2023年3月期までの棟数は本紙の大型リフォーム受注数ランキングに基づく。売上高、2024年3月期の目標棟数は同社決算資料にある新築そっくりさん事業セグメントのもの
等級4レベルに
同社は2021年12月に「高断熱リフォームプラン」を発表した。販売1年目は1割に満たず、2年目も14%と伸び悩んだが、これが現在、「新築そっくりさん」の4割以上を占めるまでに成長している。「新築そっくりさん」は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、耐震補強を図ることを目的に同社が設立したブランドだ。ここに電気代の高騰やヒートショックによる健康リスク、気候変動対策といった社会問題に訴求する形で、「高断熱リフォームプラン」というオプションを用意した。耐震だけでなく断熱性能の向上に訴求し、平均単価(本紙試算)が1割増しとなった。
「高断熱リフォームプラン」は3種類を用意。ひとつ目は「まるごと断熱」。外気に面する床、壁、天井を断熱し、断熱性能の高いサッシと玄関ドアを交換するというもので、単価の目安は2000万円に及ぶ。次に「ワンフロア断熱」。床、壁、天井6面に断熱材を施工、窓交換または内窓を設置。隙間を気密パッキンで塞ぐドアにより冷気の侵入を防ぐ。単価の目安は1500万円以上となる。3つ目は「ワンルーム断熱」。「ワンフロア断熱」と同様の工事を部屋単位で行うもの。水回りや外装工事が足されるケースも多く、こちらも単価は1200万円以上に。
案件の約8割が戸建てだ。「まるごと断熱」を行なった場合の断熱性能は、2016年の新築並みとなる等級4レベルに。また、同社では太陽光パネル・蓄電池を初期費用ゼロで導入可能な「エネカリ」のサービスを提供しており、その場合は「既存戸建てでもZEHレベルになることも」と、新築そっくりさん事業本部の中野誠本部長は話す。
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