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【実態調査】大工・人工代、競合対策で13%上げる社も

【実態調査】 大工・人工代、競合対策で13%上げる社も

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リフォーム需要の増加に伴い、職人不足の声がいたる所で聞かれる。職人の人工代は一部手間受けで上昇傾向にあるものの、全国的にはほぼ横ばいか減少の傾向にある。今回ヒアリングした大工の人工代は20社平均で1万6975円となった。

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公共工事設計労務単価  大工の全国平均

大工の労務条件、さらに厳しく

 「大工の人工代は以前2万円だったが、今は1万8000円程度。原材料の高騰などで職人の手間賃をカットせざるを得ない。ただしプレカットが増えた分、大工仕事も楽になっているはず」と話すのは埼玉県・猪狩工務店の猪狩茂男社長。

 同社には常用大工が自社と外注合わせて5人いるが、将来、独立開業してほしいとの思いから社長自らが職人を教育し、現場管理まで大工にまかせる。常用で雇う理由は、手間受けだと仕事の質が落ちたり、賃金の高いところに流れる可能性があるためだ。

 「ナントカ共済やナントカホームのようなところでは、さらに厳しい条件で下請けに出すこともある。息子と2人で作業してやっと1人工もらえるとか、1回でも仕事を断わればもう仕事をもらえないとか、職人の条件は全体的にさらに厳しくなっている」とみている。

 長崎県の中村工務店でも社員大工1人、常用大工25人を抱えるが、人工代は5年前より1000円安くなっている。

 「それでも地域相場より若干高めの設定。常用でやってもらうのは、大工さんに意見してもらいやすくするため。当社ではリピート受注が多く、お客さんの職人さんに対する信頼が一番。常用だとコストがかかる面もあるが、販促費用の一部だととらえている」(中村鉄男社長)

消費増税で手間受けの人工代アップ

 手間受け職人を抱える会社では、いかに仕事を切らさずやってもらえるかが課題だ。新潟県のユウワでは大工班を10組程度抱えているが、地域の競合店が職人の囲い込みに奔走したため、対応せざるを得ず、まもなく現行の1万6000円から1万8000円に約13%値上げする。

 国が決定する公共工事の労務単価は大工で今年度1万9898円。2年連続の単価アップとなった。しかし、一般工事での大工人工代は横ばいか下がっている地域も多く、「改善してほしい」との指摘もある。

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