リフォーム業大手のCONY JAPAN(大阪府大阪市)は、水まわりリフォームの専門店「リフォーる」を関西エリアに19拠点展開する。キッチンや浴室、トイレなどのリフォームを安心の適正価格で提示して、「お客様のお困りごとを喜びに変える」をキャッチフレーズに、地域での支持を着実に広げてきた。2024年度の売上高は40億4600万円(前年比120%)と売上を拡大する同社は、建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を活用して数字の見える化を実現している。ANDPADの役割と効果について、 赤石幸彦取締役社長、綿毅執行役員に聞いた。
CONYJAPANの赤石幸彦取締役社長(左)、綿毅執行役員(右)
約2週間かかっていた月次締め作業が、1週間で完了
ANDPADは、同業者からの紹介を受けて2018年に導入した。赤石社長は選定の理由を「今後、IPOを含めた企業成長を見据えた時に、数字がタイムリーに見える仕組みが必要になります。そのためにも現場のスケジュール管理から受発注、引合粗利管理といった業務に対し、一気通貫で使えるシステムを導入したいと思っていました。開発要望などの意見を聞いてもらえる体制もありがたかったです」と振り返る。
企業成長を見据えたとき、ANDPADが最適だったと語る赤石幸彦取締役社長
導入後の一番の変化は、月次締めがスピーディーに完結できるようになったことだ。「ANDPAD受発注は現場情報と連携して、受発注の履歴が正確に残ります。以前は、協力会社とのやりとりをFAXで行っていました。それもあって月次締めに2週間以上かかっており、会議の際は7.8割程度の見込み数字をもとに、手探りで経営判断を行っていたんですね。それが1週間で100%締められるようになったことは大幅な業務改善になりましたし、確かな数字を元に指針を決められることで、経営に対するインパクトは相当あったと思います」(綿部長)
取引先との受発注のやりとりも、ANDPADを通してどのステータスにあるのかが明確になったことで営業や経理部門など、社内全体で大幅な業務改善につながった。
年間工事件数1万件にも対応
導入以前は、各店舗の売上や受注状況といった報告書作成にも時間がかかっていた。「各店舗の数字管理も、ANDPADを入れてからうまく回るようになりました。もともと自社システムで管理はしていましたが、計算や集計に時間がかかっていました。それをANDPADで作業の負担なく、時間を守ってやっていこうと。効率化され、残業時間の削減になりました。現在は各店舗の売上や受注状態などもANDPADでタイムリーに確認できるようになりました。」(赤石社長)
同社では、ANDPADを見ればすべての取引内容が分かるようになっている。「ANDPAD内に小工事を含むすべての案件を入力しています。現場作業はもちろん、受発注から入金確認まで 一気通貫で行っているので、ANDPADを見ればあらゆる情報を把握することができます。メンテナンスの際も元の案件情報と紐づけて登録でき、工事履歴の確認やアフター管理にも役立っています。」(綿部長)
ANDPAD内に情報が一元化され、案件の対応状況が一目でわかる
同社は年間工事件数が約1万件を超える。その顧客への請求書をANDPADで発行している。「弊社では工事後、営業担当者が請求書を発行し、直接お施主様に手渡しする体制をとっています。各店舗の営業事務が入金の確認作業まで対応し、本社経理部門で入金管理を行っています。請求書は営業が自身で発行し、お客様のお顔を見てお渡しします。その際に、お客様は本当に満足されているか、温度感を担当者自身で感じ取ることが重要です。そして、ANDPADを基幹システムとし、分業体制を取ることで、少人数の経理スタッフでも大量の工事の支払いや仕訳処理に対応できるようになりました。」(赤石社長)
新人教育も、ANDPADから
このようにANDPADで業務が一気通貫されている同社では、新人への教育もANDPADから始まる。
「ANDPADの操作は、新入社員が覚えるべき最初の業務。少額案件からスタートし、工事全体の流れの把握とともにアンドパッドの操作も身に付けてもらうようにしています。もちろん研修やOJTで教えながらですが、見積もり作成から請求書の発行まで、すべての業務がANDPADを通る仕組みにしていて、承認を得ないと見積もり提出も、業者支払いもできません。また、入力を通して仕事内容や情報が見える化されることで、業務の抜け漏れ防止に役立っています。責任者の管理の時間が削減でき、正しく報告が行われる体制になりました。」(綿部長)
綿執行役員は、すべての業務がANDPADを通る仕組みを構築した
ANDPAD内の数字や案件は、新人を含む全社員が閲覧できる。会社の数字情報が開かれた体制であることも、社員が視座を上げ「粗利管理」の視点を持つことにつながっている。全社員に向けて状況をガラス張りにできるのは、正しい経営ができていることの証でもある。
「情報をオープンにすることで、情報を扱うスタッフ全員に責任が生まれます。その情報を基に、弊社の経営理念にある、社員ひとりひとりが、お客様に如何にお喜びいただくか、協力会社に活躍してもらうか、会社に貢献するかを考えて動きます。ANDPADの粗利管理のシステムが、単に利益管理する為だけにとどまらず、弊社では、経営理念の体現にも、非常に役立っていると思います」と力を込める。(赤石社長)
「リフォームをもっと身近に!」
赤石社長は「お客様が、リフォームをもっと気軽に、そして楽しめる商品にしていきたい。」と考える。家族にとってリフォームとは、旅行や趣味を超える価値を創造できるはず。リフォーるのサービスを知った、エリア外のお客様からも、引き合いやご紹介も増加しており、同社は今後、全国展開を目指す。
2024年には福岡にも出店した。年内には関東エリアへ進出し、最低でも5年で30拠点、10年後には「全国100店舗・売上高300億円」を実現するといった中期経営計画を整えているところだ。
株式会社アンドパッド
(東京都千代田区)
TEL: 03-6831-4551
「ANDPAD」は現場の効率化から経営改善まで一元管理できるシェアNo.1※クラウド型建設プロジェクト管理サービスです。2016年に提供を開始し、直感的で使いやすさにこだわった開発と導入・活用への徹底したサポートで、利用社数23.3万社、ユーザー数68.4万人を超えています。国土交通省のNETIS (新技術情報提供システム) では「令和6年度推奨技術」に選定されています。
※『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミックITリポート2024年12月号)』(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)

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