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住宅ストック市場の新シナリオ13
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モノのシェアビジネスが広がる中、住宅・不動産のシェアリングエコノミービジネスも増えてきている。軒先(東京都千代田区)では不動産の一角を貸したい人と借りたい人をインターネットでマッチングさせるビジネスを展開。スペースをシェアし有効活用できると注目されている。
狭くても広くても、様々なスペースを貸し借りOKな「軒先ビジネス」。以前ボウリング場の1棟まるごと貸し出すというケースもあった
6平米借りませんか
「敷地の6平米が空いています。誰か借りませんか」。こんな宣伝が同社のサイト「軒先ビジネス」にはずらりと並ぶ。ここは空きスペースを貸したい人、借りたい人の出会いの場だ。西浦明子社長は「サイトでは今、約2500のデッドスペースを貸し出しています」と話す。
実に様々な「場所」の貸し出しが行われている。例えば千葉県松戸市の住宅オーナーは、自宅の敷地の一部、わずか6平米を借りてほしいと呼びかけている。料金は1日2460円。別の事例では都内のフランス料理店が店頭の3平米を1時間1000円から貸し出している。
サイトにはこのような多種多様な空きスペースの告知がある。借りたい人は、借りたい日時や時間を予約すれば、仲介が成立するという流れだ。レンタル料は貸し手が自由に決められるが、成約した場合に手数料35%がかかる。これが同社の収益となる。
ビルやマンションなどの軒先の空いたスペースを使って商売をしたいケータリング事業者の利用は多い
移動販売車の利用が多い
貸したい人の目的はデッドスペースを有効活用して収益を得ることが主。だが、利用者はそのようなスペースを借りたいという需要があるのだろうか。西浦社長が「借りる人には主に3つのニーズがあります」と言う。
1つは移動販売車を使ってビジネスする物販業者やケータリング事業者からのニーズ。「常に売り場となる『スペース』が必要なので常時チェックされている方が非常に多い」。従来はビルオーナーなどに直接交渉してレンタルしていたケースが多く、場所探しは簡単ではなく、選択肢も限られていた。

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