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- > 東郊住宅社、リノベで「食堂」を人気賃貸物件に早変わり
賃料2割増でも入居率98%
リノベーションで「食堂」を作ったら人気賃貸物件に早変わり。こんなユニークな賃貸事業を手掛けるのが東郊住宅社(神奈川県相模原市)だ。同社は、管理物件を改修し、入居者向けの「トーコーキッチン」を開設。同社の管理する1600の物件は98.5%という圧倒的な入居率を誇る。
トーコーキッチンのエントランス
レストランを居抜き改修
トーコーキッチンはJR横浜線淵野辺駅から徒歩3分のところにある築14年、4階建てマンションの1階にある。店舗面積は調理場を含めて20坪、客席は24席だ。
サービスの主なターゲットは学生だ。駅の近隣には青山学院大学、桜美林大学、麻布大学の3キャンパスがあり、多くの大学生が周辺に住んでいる。
そのため、もともとあった洋食レストランを居抜きでリノベーションしたものだが、学生たちが入りやすい雰囲気をつくっている。例えば、壁のコンクリートや天井の配管などをむき出しにして、若者受けするインダストリアルなデザインにするとともに、照明を強めにして、窓も大きくとることで明るい雰囲気にしている。
さらに、室内にいながら外との連続性を意識してもらうために、タイルを入り口の外と中を流れるようにつながりを作っている。
「このタイルは当社のオレンジ色の企業ロゴをベースにしたデザインタイルです。外を歩く通行人にもPRになっているんですよ」(池田峰取締役)
床タイルは会社のキッチンのロゴをデザインしたもの
1600人以上が利用可能
1日の利用者数は平均で100人。学生が多く、週3~4回利用する客が主だが、毎日3食利用するヘビーユーザーもいる。
ところが、窓を通して多くの通行人がのぞくことができる環境にもかかわらず、同食堂は、なんと会員限定のサービスなのだ。会員とは、同社の管理物件の入居者、管理を委託するオーナー、同社の社員、銀行や建築業者などの同社関係者だ。入り口は施錠されており、カードキーを持つ会員だけが入ることができるのだ。
つまり、同社が管理する1600室の入居者がメーンの利用者になる。
「一般的に、大型の集合住宅1棟に住む入居者が利用できる食堂はよくありますが、管理物件すべての入居者が利用できる食堂というのは極めて特異だと思います」(池田取締役)
なぜそのような仕組みができるのか。それは、管理する1600室の8割以上が淵野辺駅を最寄りとするからだ。そのため、大学に行く前に立ち寄ったり、同駅から列車に乗る前に食事を取る、という利用ができ、多くの利用者が来訪しやすい環境になっているからだ。
同社管理物件の入居者が利用出来る「食堂」
Twitterで交流生まれる
ただし例外もある。それは、カードキーを持つ人とともに入店した人だ。そのため、友達を連れた学生、同僚とともにランチを楽しみたい関係企業スタッフなどが複数人を連れて来場する風景も当たり前に起こっている。

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