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築50年の空きビルが芸術家が集う場に―――。再生を手掛けたのは、泰有社(神奈川県横浜市)の泰生ポーチだ。物件オーナーである同社は、横浜市が行うアーティストを誘致する「芸術不動産」事業のリノベーション助成を活用。古ビルをアーテイストと近隣住人が交流する建物に変貌させた。
入居者が自分で内装工事
泰生ポーチは地上4階建て、延べ床面積275平米のビルだ。もともとは1階が会員制クラブ、2階以上はオフィススペースだったが、3年前のクラブの閉鎖後、全室が空きスペースになっていた。
これを1階を飲食店兼イベントスペースに、2階以上をアーティストやクリエーター、設計事務所の入るオフィススペースにした。
(1)1階のラウンジ。ビルの入居者やアーティストが個展を開いたり、(2)普段は一般に貸し出したりもしている。
オフィススペースの特徴は、入居者が自らデザインできるという自由度の高さだ。入居前の時点では天井をコンクリートむき出しに、内壁を板張りにしただけの状態で提供。入居者が自由にDIYで施工してよいことにした。そのため、各部屋はデザインが全く異なっている。
「芸術家の皆さんなので、こちらのデザインは押し付けになるだろうと。退去時の原状回復義務も課さないことで、より皆さんの過ごしやすいようにしてもらいたいと考えました」( 伊藤康文氏)
ある入居者は、「床をコンクリートのままにしているとほこりが舞いやすいので、自分でフローリングを張ろうかと思っています」と話していた。
(3)入居するアーティストがデザインしたオフィスの入り口。
近隣の半分の面積で家賃安く
同ビルの1部屋当たりの面積は15平米だ。これは、物件を探すアーティストが個人もしくは少人数の企業であることから、大きなフロアを必要とせず、しかも、家賃コストを抑えて仕事をしたいと考えているからだ。そのため、企業のスタートアップに適している。

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