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9別邸 大阪東心斎橋 MAISON DE 9
5年間空き家になっていた築60年の古民家が日本家屋の美しさが宿るホテルへと生まれ変わった。名前は「9別邸 大阪東心斎橋 MAISONDE 9」。リノベーション事業を行う9(ナイン、大阪府大阪市)が手がけた。
Before:築60年、5年間空き家になっていた
After:心斎橋駅から徒歩5分。桜の絵が出迎える
浮かぶガラスの茶室や蹲のシンク
このホテルがあるのは大阪心斎橋駅から徒歩5分の場所。繁華街の中に突如姿を現す。足を踏み入れると、繁華街の賑やかさとはうってかわり、静かで荘厳な空間が広がる。壁・床・天井は黒で統一。「日本古来の色にしたかった」と久田一男氏は言い、壁は墨色で塗装した。光の当たり方によってグレーにも見え、柔らかい雰囲気もある。壁には久田氏の友人がこのホテルのために描いた太陽と菊の絵が飾られ、鮮やかな赤と黄色が彩りを添えている。
墨色で塗った壁に鮮やかな黄色の菊の絵が映える
「伝統的な日本家屋が持つ美しさに現代的なデザインをプラスしました」と久田氏がいう通り、伝統的な日本を感じながらもモダンなセンスが随所に光る。
例えば、特注でつくったキッチンのシンクは蹲(つくばい)でできている。蹲とは、茶室に入る前に手を清めるためのもので、石を削ってつくられる。解体された家から持ってきて再利用した。水を流すと、水が蹲に当たる音が心地よく響く。

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