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業界有識者は語る"中古・リフォーム市場"活性化のために

業界有識者は語る "中古・リフォーム市場"活性化のために

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業界の有識者が語る≪テーマ : 中古・リフォーム市場活性化のカギ≫
~ 不動産とリフォーム、対等な連携を ~

バイヤーズスタイル 高橋正典社長

◆今週のゲストコラムニスト◆
バイヤーズスタイル 高橋正典社長
≪Profile≫
1970年生まれ。売買物件に「住宅履歴書」を導入する不動産会社バイヤーズスタイルを2008年に設立。非営利活動法人「住宅再生推進機構」専務理事。国土交通省「住宅履歴書」に関するワーキンググループメンバー。『マイホームは、中古の戸建てを買いなさい!』(ダイヤモンド社)など著書多数。不動産コンサルティング技能登録者、 宅地建物取引主任者。

コラボは難しい?

 中古住宅流通とリフォーム市場活性化ためには、不動産会社とリフォーム会社のコラボレーションが重要です。しかし、実際はなかなか連携が進まない、というのが多くの方の感想ではないでしょうか。私もお互いの連携を促すようなセミナー講座で講演させていただくこともありますが、そもそも不動産会社が来ておらず、そううまくいかないのが実態です。

 課題だと思うのは、不動産会社が川上にいて、リフォーム会社が下請けという関係です。さらに、不動産会社の方も、連携する価値や必要性を認識しきれていないことが少なくありません。

 コラボレーションするためにリフォーム会社がすべきことは、まず周囲の不動産会社に「自社の強み」を理解してもらうことだと思います。キーワードは「フットワーク」「見込み客ストック」「集客力」です。

 リフォーム会社の強みの1つは「フットワーク」だと思います。例えば中古住宅を購入する際にリフォームの相談があった場合、リフォームのプランや見積もりを不動産売買のスピード感に合わせて協力する。フットワークの良さを生かして、不動産購入の後押しをすることは重要です。

 協力したけれど、結局リフォーム受注にはならなかった、ということもあるかと思います。しかし、それでも継続して協力していくことが大切で、次の仕事につながっていきます。

履歴管理の整備を

 また、リフォーム会社が持つ数多くのOBは、不動産売買の「見込み客ストック」にもなり、強みとなります。

 例えば、お客さんの中には、リフォームだけでなく、家の売買や相続の悩みを抱えている方もおられるでしょう。このような悩みを不動産会社と連携して解決していくことが重要です。そしてOBは、国も進めている「住宅履歴」を整備しておくことも重要です。流通の際や次回のメンテナンスに役立ちます。

 そして「集客力」も強みです。不動産会社はリフォーム会社のように数多くのお客さんをイベントで集めることができません。例えばお互い協力して集客し、リフォームイベントの中に不動産相談コーナーを用意するのも良いかと思います。

 やはりマーケット活性化のためには不動産会社とリフォーム会社が対等な関係を築き、協力していくことが重要だと思います。大手寡占が進む市場において、地場・地域に根差した連携構築の実現が、新たな戦略の1つになると思います。

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