一流職人をまねて学ぶ「モデリング」
職人不足、高齢化が叫ばれる中、20~30代の若者や女性の職人が数多く活躍するユニークな左官屋がある。原田左官工業所(東京都文京区)はこれまでの職人育成の方法とは異なる手法を用いて次々に職人を育てている。若者でも腕は確かで毎月150現場もの物件をこなし、そのほとんどがデザイン性を求められる店舗改装だ。その育成術に迫る。
女性職人も現場で活躍
20~30代が6割
夕刻になると仕事を終えた職人たちが乗るバンが本社前に止まる。降りてくる職人たちの顔ぶれはみな若い。「今社員職人が38人、専属職人が12人いますが、20~30代で6割を占めています」と原田宗亮社長は話す。「さらに女性の職人は8人いて、子供がいるママ職人も2人います」。同社が異例なのは雇用している職人の数ももちろんそうだが、若者と女性が極めて多いこと。
同社では毎月150現場の施工をこなすが、仕事の8割は「店舗」の左官。「普通、左官というとゼネコンの野帳場が多いのですが、私どもはデザインにこだわった施工技術がある。だから店舗からの引き合いが特に多いんです」。若くともその技術は折り紙付きで全国から注文がある。
カリスマの技を動画学習
しかし、なぜこれだけ技術ある若手が多いのか。原田社長は「未経験の若者でも短期間で技術が身に付くモデリングという方法で育ててきたことと大きく関係がある」と話す。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1653号(2025/06/16発行)2面
-
1652号(2025/06/09発行)2面
-
1651号(2025/06/02発行)3面
-
1650号(2025/05/26発行)5面
-
1649号(2025/05/19発行)5面