塗布面積の正確さ、厚み、モニター管理がカギ
外壁塗装専門店アカデメイア(東京都新宿区)は高い客単価とリフォーム受注率を誇っている。屋根と壁を合わせた平均工事単価は250万円超で、また見積もり提出後の成約率は8割もある。年商3億5000万円の同社の提案術の秘密を探った。
施工完了時には、使用した空の塗料缶を撮影する。希釈せずに適正量で行ったことを示すためだ
塗布面積は正確に
なぜ同社はこんなにも高単価の外壁塗装で高い成約率を維持できるのか。皆川一社長は「相談するユーザーの不安を払拭することに全力を注いでいる」と話す。
皆川社長が挙げるユーザーの不安は3つある。一つは塗布面積が正確かどうかだ。
3月、受注したあるユーザーの例がある。当初は同社と新築時に建てたハウスメーカーの両方で合い見積もりを取っていた。そこでユーザーは非常に困惑したという。というのも2社の見積書に記された塗布面積が違っていたからだ。
「当社の算出した塗布面積は205.18平米。これは現調時に住宅を採寸し、CADで図面に起こして正確に算出したものです。しかし、ハウスメーカーの値は220平米だったんです」(皆川社長)
一般的に、新築を建てたハウスメーカーならば、図面を持っているはずなので正確なはずと思いがちだ。しかし、詳しく問い合わせると、今回の例では、そのハウスメーカーの企画した注文住宅シリーズの平均的な壁面積から算出しただけであることが分かった。
このハウスメーカーのずさんな計算にユーザーは怒り心頭となり、逆に同社に信頼を寄せる結果となった。
同社では、正確な塗布面積を算出するために、すべての見積もりで住宅を図面に起こしている。
この正確さがユーザーに安心感を与えているのだ
塗膜の厚さを担保する
2つ目は、いかに正しい塗膜の厚さで施工したことをPRするか、だ。
「塗装の施工は、ユーザーには正しいかが判断しにくいため、可能な限り目に見える形で進めるべきだ」と皆川社長は主張する。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1653号(2025/06/16発行)2面
-
1652号(2025/06/09発行)2面
-
1651号(2025/06/02発行)3面
-
1650号(2025/05/26発行)5面
-
1649号(2025/05/19発行)5面