豪雪地帯のために塗装ができる期間はわずか8カ月。残り4カ月間、灯油配達や除雪といったサイドビジネスを手がけるのはIKEDA(山形県山形市・年商6億円)だ。社員の雇用確保、地域の評判を高めるといった狙いがある。
1000万円の除雪機5台確保
豪雪地帯のため、本業である屋根・外壁塗装ができる期間はわずか8カ月。残り4カ月間、IKEDAは3つの「副業」を行うことで、社員の雇用を維持している。ひとつは灯油配達、次に除雪、そして飲食店の運営だ。
灯油は地域最安値を謳い、OB客を中心に配達を行っている。除雪は市道や県道などの公共工事が中心だ。飲食店はラーメンと焼肉店を運営している。売上高は3つ合わせて1億円ほどで年商の2割弱ほど。一方、1000万円ほどかかる除雪機を5台、800万円の灯油配送ローリー6台を購入するなど、かかるコストは膨大だ。
それでも副業を行うのはなぜか。1つ目は社員の確保だ。同社で働く社員は25人。職人を含めていずれも正社員で、外壁・屋根塗装がない冬場も固定給を払い続けている。彼らに通年、働く機会を与えるため、2016年の会社設立時から段階的に3つの事業を始めた。

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