築50年の社屋をロンドンの老舗塗料販売店をイメージしてリニューアルした

深いグリーンの外観が印象的な社屋を構えるのが、塗料販売店のタカラ塗料(大阪府大阪市)だ。築50年の物件をロンドンの老舗塗料販売店をイメージした塗装でリニューアルし、上品でクラシカルな雰囲気に仕上げている。美しく再生したのはもちろん、採用コストの大幅な削減に寄与している。
社員自ら施工
同社は車の塗装用・内外装用などのDIY用塗料やホビー用・アート用塗料の販売、塗料の色を合わせる調色、オリジナル商品の開発、ECサイトの運営などを手掛けている。塗料は142色のオリジナルカラーや錆エイジング、コンクリート風、アイアン調やゴールドメタリックなどを取り扱う。調色では、日塗工番号やマンセル値から色を検索でき、塗料の種類や艶も選べる1㎏単位の通販サイト「調色屋」を運営するなど、多様なニーズに応えている。利用客は車の塗装が個人、内外装の塗装が建築・塗装業者などの法人や個人と、幅広い層に及ぶ。単価は1万2000〜3000円、年間の購入件数は約2万件。本社兼店舗を大阪に置き、店舗を京都高島屋S・C・に構える。2025年6月期の売上高は3億5000万円。
改修前
深いグリーンの外観が印象的な同社の社屋は、築50年の物件をロンドンの老舗塗料販売店をイメージしてリニューアルしたものだ。リニューアルではオリジナルカラー「エントランスグリーン」で社屋全体を塗装し、上品でクラシカルな雰囲気に仕上げた。色には強くこだわり、調色して外壁を実際に塗装した後、再度調色することを繰り返して完成。また、社員がDIYで看板やモールディングを作成した。大野一馬社長は「コンセプトは既存の建物を生かすこと。海外では建物をメンテナンスして、長く使うことが一般的です。日本でも、既存の建物を壊して新しく建築するのではなく、リフォームによって自分の好みを追求する暮らし方を根付かせたい」と語る。
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