ダブル 間宮進介 社長
請負職人の人材サービスから中古マンション再生事業を展開する「ダブル」(東京都武蔵野市)の業績が好調だ。成長を支えるのは、年間650件超を数える中古マンションの再販物件の工事請負。間宮進介社長に「早い」「安い」「うまい」を可能とする独自のビジネスモデルを聞いた。
今期30億円計画
――今期の売り上げ見込みは。
売上高は、前期19億円、今期3月決算では30億円くらいです。そのうち人材事業で1.5億円、今年4月から始まったインテリア事業で0.5億円、残りが中古マンションのフルリノベーションなどの再販物件の工事請負事業です。
――年間で再販のフルリノベを650件も施工しているそうですね。それはかなり多い。
1週間に14、5件は動いているでしょうか。当社の特徴は「早い」「安い」「うまい」なんです(笑)。工事請負で、最も時間もコストもかかるのが現場の施工管理だと思いますが、そこをとことん効率化を極めていけば、期間も短く、安価で、質の高い内容を提供できると考えました。
――具体的にはどのように。
管理者が現場にいる時間が長ければ長いほどよいとは思いますが、ベテランが往復何時間もかけて現場を移動する、まず、そこがもったいないと考えたのですね。現場の施工管理はアルバイト雇いで常時12人いる「モニタリングスタッフ」に任せています。
セクション別の施工管理
――アルバイトのスタッフに現場を見させているとは、問題はないですか。
管理工程を6つのセクションに分けて担当者を決め、それぞれが現場に出向き、自分のセクションをマニュアルに基づいて管理します。例えば、ファーストセクションでは「共用部分の動線の養生を確認し、写真を撮ってデータを上げてください(15分間)」といった作業タームがあります。担当者は現場でその個所を確認し、写真を撮って本社に送ります。それらは本社に3人いるベテラン統括者が確認し、オペレーションの指示を出します。マニュアルさえしっかり出来ていれば、それに基づき現場の最新状況は本社にどんどんストックされますので、我々は本社にいながら全体管理ができます。
――モニタリングスタッフは、自分のセクションだけを管理するのでしょうか。
会社として1から100まで現場でやっていただきたいことがあるとすると、それらの知識をすべて持った人材を育てるには、長い時間とコストがかかります。しかしどんな方でも、1から20までの担当を毎日経験すればそのプロとなる、という考え方です。また管理を「人」に任せてしまうと、会社として見えないところも出てきますが、このシステムで、現場の状況について、より鮮明に分かるようになりました。
――どんな人が、モニタリングスタッフとして働くのですか。
全くの素人もいらっしゃいますし、建築を学んでいる学生や、建築士の資格はあるが出産などでブランクのある方、カメラマンもいらっしゃいますね。
――セクションによって、難しさは異なりますよね。

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