禅 水梨美治 社長
ホテルのリフォームに特化したユニークな会社がある。禅(東京都港区)だ。同社では古くなったホテルをターゲットにした改修事業を柱とし、年間26億円を売り上げる。水梨美治社長に知られざるホテル改修ビジネスについて聞いた。
訪日客増加で「和」が人気
――古いホテルの再生が事業の柱とは珍しいですね。
全国的にも珍しいと思います。ホテルは新築して10年くらい経つと施設の老朽化が進むのはもちろん、世の中のデザインのトレンドが変わっていたり、競合となるホテルができたりします。ですから手を入れないと集客や稼働、単価の問題が必ず起きてくるんですね。
――時代に合わせたデザインが必要だと。
例えば、リーマンショックの前後、3.11の前後、そして最近はインバウンドの前後とでは、それぞれホテルの内装やデザインのトレンドが違うんですよ。一例をあげると、リーマンショック前のミニバブルの時期は濃い木目のスタイリッシュなインテリアが人気でしたが、リーマンショック後はもっと優しい色、雰囲気が好まれるようになりました。これは3.11の後と一緒です。そしてインバウンド期は、新たに「和」のテイストの人気が出てきました。
――ターゲットとしているホテルは。
だいたいバブル以降が多いですね。ですから、築年数でいうと25年以上。需要で多いのは水まわりの3点ユニットを変えたいという需要です。大抵、お部屋の内装はリフォームしているのですが、お風呂を我慢していたという人が多いんです。そういうニーズに分かりやすく対応していこうと「定額」プランを用意しています。
古い水まわりを一新する
「浴室改装27万円」で
――どのようなプランになりますか。
例えば、「浴室改装27万円パッケージ」というもの。これは施工費込みの定額制です。バス、トイレ、洗面の一式をリニューアルします。バスのサイズはだいたい決まっていますので定額化できました。それに価格を出すことも非常に重要です。お客様は改装にいくらかかるのか分かりませんから、見える化が必要。
――最低30室からの注文になりますね。

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