ベストランド 重政重明 社長
中古住宅の買取再販事業で業界2位のベストランド(東京都港区)。全国13拠点で主にマンション再生を手掛ける。強豪ひしめくマンション買取再販業界で、なぜこれほど売れるのか。重政重明社長に聞いた。
リフォーム費用は140万円
――本紙が7月25日号で発表した中古住宅買取再販ランキングでは年間2053件の販売で総合2位。8月29日号に発表したマンション買取再販ランキングでは1位でした。
当社は10月が決算で、前期は2220戸まで拡大しています。自社で扱う物件は投資家向けの収益物件とエンドユーザー向けの居住用物件の2種類があり、従来は収益物件の方が多かったのですが、前期は居住用物件の取り扱いが伸び、トータルの戸数が増加しました。
――再販物件の特徴は。
全体の平均は販売価格が1212万円で、築29年、面積が46平米です。前期ベースでは収益用と居住用の戸数は半々でした。収益用はワンルームタイプが多く平均販売価格は726万円です。一方、居住用物件は平均1711万円の販売で、これは面積、間取りについては様々ですね。
――収益用にしろ居住用にしろ、マンションにしては非常に価格が安いですね。
物件全体におけるリフォームの平均費用は76万円です。ですが、大がかりにリフォームするというのは全体の半数くらいなんです。機器に問題が無ければ原状回復にプラスアルファ程度で終わるものあります。リフォームをしたとしても大体140万円くらいなんですよ。配管や電気などのインフラと住設機器の交換、壁紙の張替えです。全体の平均仕入れ価格は930万円なので、リフォーム費用も大きくかけないですね。
――マンションを取扱う有力な他社は、デザインで顧客にPRする傾向が強いと思いますが、なぜデザインにこだわらないのですか。
中古不動産が新築に対して持つ決定的な優位性は価格の安さです。それを差し置いてメリットを示すことは出来ません。ですから、私どもは徹底的に低価格にこだわっているのです。
そもそも、住宅のデザインは与えられるものではなく、住まい手が作り上げるものだと思っています。そういう意味では、私どもは最低限のインフラを整えた上で「白いキャンパス」を提供しているのです。
中古は白いキャンパス
――住み手が自由に描いていく「白いキャンパス」ですか。

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