マンション改修設計コンサルタント協会代表理事インタビュー、不適切コンサルの撲滅へ
・マンション改修設計コンサルタント協会理事に、業界の課題を聞いた
・資格がなくても参入できるため、組織事務所が増え問題が発生してきた
・不適切行為を1つ1つ禁止し、適正化を図ることが大事
マンション改修設計コンサルタント協会 貴船美彦 代表理事
「業界全体のレベルアップが使命」
マンションの大規模修繕業界で、たびたび問題が取り沙汰されている改修設計コンサルタント。昨年12月に発足したマンション改修設計コンサルタント協会(MCA・東京都千代田区)の代表理事を務め、自らが経営する翔設計(東京都渋谷区)でマンション改修の設計コンサルタント業務を行っている貴船美彦氏に業界の歴史と課題を聞いた。
「競争入札もなかった」
――翔設計では、設計コンサルを始めてどのくらいですか。
15年くらいになります。元々、うちは官庁と民間の両方を相手にした設計事務所で、特に構造の耐震診断を昔から行っていました。あと、官庁の保存建築もかなりやっていましたね。
そんな中、マンションの管理組合さんから、建物についてのご相談がよく来るようになりました。初期の頃は瑕疵の対応がほとんどでしたね。そして、そのうち、「マンションの大規模修繕」という話が出てきました。
――そこから大規模修繕業界に参入したわけですね。
はい。当時の業界では、見積もりもみんな一式で、競争入札をやるかどうかもはっきりしておらず、コンサルの業務というものがあいまいでした。きちんとした見積書の提出や競争入札の仕組みは、うちが最初に作ったんじゃないかな。
工事会社の見積もりをちゃんと作るためには、ちゃんとした仕様書が必要。うちは昔から官庁系が多かったので、その仕様書をそのまま活用しました。競争入札の考え方も、そうですね。手間を掛けていたこともあって、その頃は今とは違って、一般的にコンサルフィーはとても高かった。
――問題になっているコンサル料を引き下げて受注を獲得し、工事会社からのリベートで補てんするという慣習はなかったというわけですね。
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