ハプティック 伊藤和澄 社長
賃料も入居率も改善で、売上高15.5億円
国内の空き家数は約850万戸とされるが、実はその内約半数が賃貸住宅。築年数が古くなり、入居率が下がってきた物件が増えてきており、「空室改善」リフォームが求められている。そんな中で注目したいのがハプティック(東京都渋谷区)だ。賃貸住宅では珍しい無垢床をふんだんに使ったナチュラルテイストのリフォームが人気で、改修売上高は15億5000万円。伊藤和澄社長は「シンプルで飽きのこないデザイン性が強み」と話す。
【聞き手/編集長 金子裕介】
シンプルなハコを住み手がカスタム
――賃貸改修市場では「入居率改善」をテーマに「原状回復」ではなく、さまざまなテイストのリノベーションを提供する会社が増えてきています。ハプティックでは何を差別化要素にしているのでしょうか。
特徴としては無垢の床を使い、全体的に白を基調としたナチュラルリフォームにしています。シンプルで飽きのこないデザイン性が他社との違いですね。リフォーム後にも価値を保ち続けるロングライフデザインを基本スタンスにしていますので、創業当時からそこまで大きなプランの変化はありません。
――確かに創業した2009年は、賃貸に無垢フローリングというプランは意外性がありました。が、「賃貸リノベ」といったキャッチコピーで、さまざまな競合が増えてきたと思います。ナチュラルテイストのリフォームだけでは、競争力が下がってきてしまうのでは。
無垢床を使った賃貸リフォームは増えてきてはいるものの、まだまだ多くはないと思います。考え方は無印良品と一緒で、シンプルなハコを提供して、そこを入居者さんが自分好みに変えていけるような、お気に入りの部屋を作れるような空間を提供しようとしています。
「TOMOS(トモス)」というブランドなのですが、このトモスに住む人たちを取り上げた書籍も出しています。「ハコ」は似ていても、それぞれに皆自分のお気に入りの部屋作りをして住みこなしています。また、賃貸を出て分譲マンションを買って住む人からは「トモス仕様でリフォームしてほしい」という依頼まで来ています。
無垢床は栗の木。杉、桧は傷つきやすいため、栗の木を使用
改修後1カ月で85%埋まる
――賃貸改修では、改修後の入居率が重要な指標になると思いますが、どれくらい空室改善できているのでしょうか。

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