インスペクション本格化から5年...中古住宅の住宅診断件数は増えたのか?
中古住宅流通市場を活性化させるには何が足りないのか。ハウスメーカーが建てた中古住宅「スムストック」に長年携わってきた既存住宅流通研究所の中林昌人氏と、インスペクションのアプリ開発や物件売買のウェブサービスの運営などを行うNon Brokers(東京都港区)の東峯一真社長が対談。それぞれの視点から業界の課題に迫った。
【司会・編集長 金子裕介】
既存住宅流通研究所 中林昌人 所長
《プロフィール》
ハウスメーカーの既存住宅流通ブランド「スムストック」を運営する優良ストック住宅推進協議会の代表幹事・事務局長などを務める。その後、ビルダーのアフター代行事業を手掛ける会社の代表取締役を務めた。
Non Brokers 東峯一真 社長
《プロフィール》
インスペクション業務を効率化するアプリ「インスペ」、売却サービス「いえうり」など、不動産業界の課題を解決するウェブサービスを手掛ける。
――中古住宅を買わず、新築にした人の理由に、中古には「欠陥」がありそうだったからという調査結果があります。国では、中古住宅の品質をインスペクション(調査)によって明らかにして取引をすることが望ましいとして、2017年、既存住宅の調査の担い手育成を始めました。それが「既存住宅状況調査技術者」と呼ばれる人材です。それから5年。インスペクションは浸透したのでしょうか。
東峯 私どもではインスペクションを効率化するアプリを作っていて、何度も現場にも行っています。例えば木造の築40年の家に行ったとき、天井を見ても何もないのですが、小屋裏点検口を見ると雨染みがある。ですから、インスペクションは大切だと思っているのですが、実際にはなかなか普及しておらず、5年前と今でも実施数は変わらないのではという感じがします。
中林 どうしてなんでしょうかね。私もこの一年で、自分の不動産を売買しましたが、不動産仲介会社の方からは、「インスペクションというものがあるのですが、実際にあまり利用する人はいませんが一応説明しますね」というような感じで、熱心に勧めているような人に会ったことがありませんね。
この記事の関連キーワード : Non Brokers アプリ インスペクション トップニュース リフォーム 中古 中古 中古住宅 既存住宅流通研究所 既存住宅状況調査技術者

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1655号(2025/07/07発行)17面
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面
- 1647号(2025/05/05発行)15面