JACOF 大久保誠二社長
未来のお客様が安心して
発注できるコンテンツ作り
外装リフォームのネットワークを展開するJACOF(神奈川県横浜市)。「街の屋根やさん」「街の外壁塗装やさん」「アメピタ」「街の玄関ドアやさん」の4ブランドを展開し、FC加盟店数は151に及ぶ。コロナウイルス等の影響で同ネットワークのウェブアクセスが前年比140%を超える成長を見せるなか、大久保誠二社長にウェブ集客の重要性と、これからの展望について聞いた。
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ウェブ集客
――現在の加盟店数と、必要な費用はどのくらいでしょうか。
151エリアです。1社で4エリアを加盟しているところもあるので、あえてそのようにカウントしています。加盟店の増加率は、今年スタートした「街の玄関ドアやさん」が一番高く、30エリアほどになっています。加盟料は屋根と外壁塗装の場合、初期費用が165万円で月額13万円、玄関ドアの場合は、これらよりかなり安価になります。
――今年スタートした、街の玄関ドアやさんのユーザー引き合い数はどのくらいでしょう。
まだ始めたばかりなので、問い合わせは計200件前後です。ただ、この1年で全ブランド合計の問い合わせ数は8768件で、伸び率は前年比115%、ウェブアクセスは同142%(670万3698件)になっています。
伸びの一番大きな要因は、HPの管理ツールであるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を変えたこと。3年半かけて、僕が設計したシステムに乗せ変えたことでアクセスが激増しました。それと、コロナ感染拡大前後でアクセス環境が変わりました。移動中や会社だと仕事に苛まれてなかなか見られないのが、在宅時間が増え自宅PCでじっくり見られることでアクセス増につながりました。
――加盟店の中でもウェブへの取り組み姿勢の違いはあると思います。加盟店ごとの成果の違いにはどのように対応されていますか。
ウェブ集客はいわば科学なので、本部の言う通りブログの更新をしてくれたら100%確実に成功します。ただ、8割の会社が最初はやってくれるんですが、3カ月くらい経って自社が目標にする水準まで集客できると満足してしまい、やらなくなってしまうところも出てくる。それだとブランド力が落ちてしまいます。
地域ナンバー1になるまでサイトの更新を続けてほしいと約束していて、契約書にも3年間で1000記事書かないといけないことは書いています。
「施工事例」と
「お客様の声」こそ命
――本気で取り組む方を厳選し、ブランド力の向上につなげる戦略ですね。ブログ更新ができる方は、顧客にも本気で向き合っているところが多いのではないですか。
そうなんです。おかしな会社は絶対ホームページで集客できません。自分のところだけ良ければいい、騙してやろうみたいなところは、そもそもコンテンツが作れないので。
ホームページで日本全国のリフォーム集客ができれば、日本中のお客様がハッピーになる、というのが僕の考えです。ネット集客はハードルが高く感じるかもしれませんが、大きな勉強をしなくて良いものを6年かけて作ってきました。あとはJACOFではなく、お客様の気持ちや顔を見て良い工事をし、それを発信できれば自然と問い合わせが集まりますよという仕組みができているので、効率が良いと思います。
――発信するコンテンツとしてはブログの他に重要なものはありますか。
「施工事例」と「お客様の声」の2つですね。リフォームするお客さんが常に持っている2種類の不安があります。ひとつは建物に関するハード面、もうひとつは、それをどんな業者に頼み、いくらかかるか、どうやってやってくれるかというソフト面。これを解決できるのは実際の事業者しかいないんです。問い合わせが来る前に、どこの誰かもわからない未来のお客様に安心してもらうには、大量の施工事例が必要です。
でも、どれだけ雨漏りが解決しても、料金が高くて職人がぶっきらぼうで、補償がゼロだったら嫌だなと。そのときに、お客さまの声が100件あって、皆笑顔の写真付きで「最高の工事と調査をしてくれました」「うちに最適な見積もりをしてくれました」「親身になって相談に乗ってくれました」などがあれば、ソフトの問題も解決しますよね。
だから、お客様を大切にしているのであれば、施工事例とお客様の声は絶対に書くべきなんです。それによって、お客様の問い合わせハードルが下がって、安心できるわけですから。
――今後の展望を教えてください。
2028年までには、10カテゴリーで1000加盟店にしたい。うちに足りない内装や水回り、エクステリアやガーデン、電気などのブランドも作りたいです。JACOFチェーンに頼めば全国一律料金で同じ品質の工事ができるという、マイスター制度的な基準を決めてやりたい。
いつでも、どんな工事でも安心して提供できる、最初から、これくらいの金額で工事ができて、こんな職人が来て、この人はこんな実績があって、というのが全部わかって、心配せずにお客さんが注文できる、好きな時に問い合わせできる環境を作っていきたいですね。
(聞き手/報道部長 福田善紀)

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