ホームインスペクション普及に尽力、さくら事務所・大西社長【リフォーム業界の女性リーダーたち】
この連載ではリフォーム業界を牽引する女性たちの功績や仕事のスタイルに光を当てる。第4回は、ホームインスペクション事業を手がけるさくら事務所(東京都渋谷区)の大西倫加社長にインタビューした。
さくら事務所
代表取締役社長 大西倫加 氏
2008年にNPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、10年間同協会の理事を務める。2019年に事業構想大学院大学事業構想研究科修了。他にらくだ不動産株式会社の代表取締役社長、だいち災害リスク研究所の副所長も兼任。執筆活動・書籍出版・講演の実績多数。
2013年からさくら事務所の代表取締役社長を務める大西倫加氏は、2008年に日本ホームインスペクターズ協会設立、理事も兼任。10年以上ホームインスペクションの普及に尽力してきた。
インタビュー
「女のくせに」逆手にマーケティング思考
――10年間で大変だったことは何ですか。
「組織づくり」が大変でした。協会はNPO法人で株式会社ではないため、メンバーが厚意やボランティアで集まっていたからです。活動時間や、やりたいことが微妙に合わない中でマネジメント力が求められる。
また外部からの風当たりも強かった。当時はホームインスペクションが何なのか知らない人が多く、家の粗探しをするものだと誤解されたり、業界にとって不都合だと考える人もいました。何かと「女のくせに」と言われることもたくさんありました。
――「女のくせに」というのはつらいですね。
もちろん今は以前よりもっと女性が働きやすい業界になっていると実感しています。しかしインスペクションの普及にあたって、少なくない誹謗中傷を受けてきました。
「女の武器を使えていいよね、ちょっとうまくいくと目立てるじゃないか」「女のくせに生意気」などと言われました。他にも匿名の掲示板に名指しで書かれたり、怪文書のようなものを回されたことも。
――どのように対処されてきましたか。
私が女であることによって、そういったことを言いやすい風潮や型のようなものはあるんだなと思いました。じゃあ大変なことばかりだったのかというと、業界で女性がレアであるがゆえに目立って仕方ない状態というのは、ある意味ありがたいことだったと思います。マーケティングでは目立つためにすごく労力をかけるんですよ。大量のお金を払っても、そもそも認識すらされないこともたくさんあります。
この記事の関連キーワード : さくら事務所 だいち災害リスク研究所 らくだ不動 インスペクション インタビュー ホームインスペクション リフォーム業界の女性リーダーたち 日本ホームインスペクターズ協会

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1658号(2025/07/28発行)21面
- 1657号(2025/07/21発行)11面
- 1656号(2025/07/14発行)11面
- 1655号(2025/07/07発行)19面
- 1655号(2025/07/07発行)16面