追加費用がかからない分かりやすい「コミコミ」でローコスト住宅を提供する秀光ビルド(石川県加賀市)が順調に事業を拡大している。前期は新築住宅2388棟を販売し、393億円の売上高を計上した。今期は原材料の高騰などにより前期に比べ若干減収するものの過去最高益の経常利益15億円を見込む。今後3年で売上高500億円突破を目指すと話す檜山国行会長と本間航也社長に、低コストを実現しながら販売を伸ばす手法や今後の展望などを聞いた。
秀光ビルド
檜山国行 会長秀光ビルド
本間航也 社長
ローコストで高品質だからこそ
――ローコスト住宅を販売されるようになったきっかけは何でしょうか。
檜山氏 創業から4、5年経った頃に、ローコスト住宅を標榜する他社の話を金沢まで聞きに行きました。品質を担保しながら「箸と布団と茶碗だけ持ってくれば生活できる家」をどうやってできるのかと自分なりに研究して、1棟目の販売にこぎ着けました。
本間氏 当初は坪36万8000円で売ったのですが、窓枠が結露したとか、いろいろクレームもありました。そのため技術を上げ、価格はすべて込みのグロスとし、内訳も出したのです。すると棟数が増え出し、100棟を超えるとメーカーや問屋と直接交渉ができるように変わり、仕入れ原価を抑えられるようになりました。
――一時期はローコストメーカーが増加し、競合も多かったと思います。そうした中でも事業を拡大し続けた要因はなんでしょう。
本間氏 高品質でありながら、圧倒的に安いことですね。他社で同じくらいの価格はあっても、品質は違います。720万円の金額に追加費用はなく、仕上がりまでしっかりその金額でおさまります。同じようにやろうとした会社はありましたが、難しかったと思いますね。
――なぜ、高品質・低価格を実現できたのでしょう。
檜山氏 例えば、設備でいうとタカラスタンダードさんなどメーカーと直にやり取りするルートを作れたおかげで、原価を大きく下げることができました。当時、キッチン風呂洗面という3点セットが原価で15万円下がりましたから。施工の面では大工さんとも交渉しましたね。1棟当たりの金額を下げてもらいましたが、倍の棟数を手掛けてもらうことで、総合的に年収が上がるようにしたのです。
――売りやすい住宅というだけでは、ここまで拡大しないと思います。営業に関してはどう仕組みを作っていったのでしょう。

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