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FLIE、買取再販事業をDX化

FLIE、買取再販事業をDX化

FLIE
井上正賀社長
1584号(2024/01/15発行)15面
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リノベーション済み物件や中古物件などを扱う不動産売買プラットフォーム「FLIE(フリエ)」を運営するFLIE(東京都中央区)は、物件確認と内見予約のプロセスを効率化するDX支援ツール「フリエde物確」を開発。2023年8月から運用を開始した。完全セルフ内見サービス「Smaview(スマビュー)」対象物件では、物件確認から内見まで一気通貫で行うことができ、買取再販・仲介事業者の大幅な業務効率化を実現する。サービスの概要と今後の展開について、井上正賀社長に聞いた。

電話確認業務を9割削減

電話での物件確認を大幅削減

FLIE 井上正賀社長井上正賀社長

── 「フリエ de 物確」を開発したきっかけを教えてください。

「FLIE」に掲載許可をいただいている売主と買取再販・仲介事業者の方から、営業や物件確認や管理を行う上で、人材不足などのお悩みを聞くことが多くありました。なかでも、営業時間外の物件への問い合わせや内見予約を電話で受ける業務がかなり負担になっているようで、そこを解消しながら、より安価で高品質なサービスを提供できればとの思いからです。これは第一弾に過ぎず、1月には新サービスも展開する予定です。

── オートロック物件でもセルフ内見ができる「スマビュー」も絡めて、売主と買取再販・仲介業者のDX化を総合支援ということですが、具体的にはどのような内容でしょうか。

まず、オンライン上で物件の内見予約ができるので、物件確認の電話やFAX等の業務の必要がなくなります。営業マンが当該物件の詳細を確認する行為は、簡単にみえて1物件で平均30〜40回も電話のやり取りが発生するため、とても時間が取られるものです。また、売主は「資料や図面を指定の場所にアクセスして勝手に見てください」と言えるので、そのやり取りもゼロになります。また、物件に関する集計もしてくれるので、例えば業者内の週次ランキングで「彼が仕入れたあの物件が人気」ということも管理画面からわかります。

加えて、販売図面の右下にあるQRコードをスマートフォンなどで読み込んで物件サイトにアクセスすると、いつでも図面が見られ、物件の内見可能時間の確認と内見予約ができます。鍵の場所や暗証番号などもメール通知で届くので、あとは現地に行ってもらうだけ。スマビュー対象物件でしたらオートロックを解錠して内見まで一気通貫で完了します。資料も資料請求ボタンを押すとメールで送られてきます。

── とはいえ、まだまだ電話でアナログスタイルの不動産業者が多いと思います。上記のシステムを使いこなせていますか。

だいぶ移行はできていて、グループのインテリックスでサービス開始後に首都圏の3拠点で試したところ、最初の1カ月で、システム導入前の電話を66%カットできました。現在、電話削減率は90%近くまできていて、今後認知が広まれば100%に近づくと思います。現在提供しているDX支援パッケージ「FLIE ONE」の中に「フリエ de 物確」が含まれていますが、こちらも今後、全国展開を予定しています。

FLIE FILE ONEでは、デジタルとアナログを融合したサービスを提供FILE ONEでは、デジタルとアナログを融合したサービスを提供

切磋琢磨しながら開かれた市場へ

── 今お話に出た「FLIE ONE」について教えてください。

「スマビュー」と「フリエ de 物確」に加えて、写真と動画撮影、物件清掃が付帯するものです。システムは模倣できますが、その先は物件まで実際に行かないとできないですし、ここが他社と違う強みだと思っています。

写真撮影はフリエサイトを手掛けているプロが担当するので、物件の見せ方を熟知しています。これまでは、物件を仕入れた営業マンが現地で写真を撮り、1週間おきに清掃に行くのが慣習で、中小の業者だと、自分で仕入れて施工管理して販売してとなると、一人あたりとんでもない分量の負担があります。遠方の物件もありますし、とても手が回らないという問題がありました。そこをしっかりサポートするものです。

── 月額料金はどのくらいからなのでしょうか。

月額の最低利用料金を3万円にしています。1回のQRコード読み込みが50円、30件前後反響があれば1物件1500円になるので、20物件以下の所有者や売主にとっては、こちらで契約していただくのが良いと思います。

フリエサイトへの自社物件掲載が条件になりますので、掲載料金はかかりません。問い合わせや内見予約の反響数が月間約400〜450件、ページビュー数で40万円ほどです。また、フリエ de 物確を起点にしてはいますが、清掃だけやってほしいとか、1億円以上の物件だけ動画撮影してほしいといったニーズも大歓迎です。月によって物件の仕入れや施工件数に変動がありますので、物件単位でニーズに応えるようにしています。

── 今後、目指す方向性について教えてください。

「中古物件の買取再販事業といえばフリエサイトだよね」というように、認知度を到達させたいですね。フリエ de 物確を使って試していただいて、一緒に成長していきたい。FLIE ONEに参画いただける企業数を増やすために、フリエ de 物確で内見予約の際に送る通知でも、たとえば新宿区に5000万円の物件があれば、サービスに参画する他の会社の同価格と間取りの候補物件も紹介することで、その仲介会社の成約率アップに結びつくようなことをしていきます。

会社概要
会社名 :FLIE
代表者名 :井上正賀
本社所在地 :東京都中央区
事業内容 :不動産業務のDX化による効率化

この記事の関連キーワード : DX FLIE 不動産 買取再販

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