住設・建材流通大手の渡辺パイプ(東京都千代田区)の2023年度グループ売上高が前年度比108%の4145億円、経常利益も前年度比108%の180億円と売上・利益とも過去最高となる見込みだ。前期目標だったグループ売上高4000億円を大きく超える数字となる。「物流拠点の整備などで効率化を進め、来期は300人を採用したい」と語る渡辺圭祐社長に、今期の戦略や課題について聞いた。
経常利益も過去最高を更新
1万3500社の新規口座開設
渡辺圭祐社長
社員の昇給と福利厚生
環境改善も推進
物流の内製化のため投資継続
──前期は売上高、経常利益とも、想定からかなり上振れました。何がその要因でしょうか。
1年間で、新規開拓を進めて過去最多となる1万3500社もの新しいお客様の口座開設ができました。売上高が1200億円となった住建部門だけでも5100社の開設となり、主要な顧客である全国の中小工務店やリフォーム会社とつながれたのが大きかったのです。加えて、メーカー各社の資材価格改定の影響もあります。売り上げが8%伸長したうち、半分の4%は実力値で残りの4%が値上げによるものと捉えています。
──値上げ分が増収の半分となると利益率には影響しなかったのですか。
なかなか値上げが進まなかったのもあって利益率としては多少落ちましたが、経費を抑えながら利益を残しました。2024年問題による物流費の値上げも大きな課題で、もともと物流の約7割は内製していますが、引き続き物流センターへの投資を進めています。22年度の戸田に続いて4月からは品川のセンターも開設し、両拠点で首都圏の物流をより強化しながら営業と配送を分離させていきます。大都市圏では運ぶ力が差異化要因になるので、今後は関西や九州でも拠点を広げていきたいです。

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