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塗装工事中心に年間売上げ12億円リフォ...

塗装工事中心に年間売上げ12億円 リフォームプラザ

リフォームプラザ
富田義秀 社長
1049号 (2012/11/20発行) 15面
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リフォームプラザ 富田義秀社長

リフォームプラザ 富田義秀 社長

東京都に3拠点を展開するリフォームプラザ(東京都杉並区)は塗り替え工事をメーンとしながらも、12億円の年間売上げのうち、6、7割がOB客からの受注となっている。1拠点当たりの営業エリアを直径5kmほどに絞り、常に工事品質の向上に取り組んできた同社の富田義秀社長に高密度の顧客獲得に成功した秘訣を聞いた。

 ―――最近はリフォーム会社の中でも塗装に力を入れるところが増えてきたように感じます。その中で安定した売上げを維持していますね。
お客様が依頼先を判断する際のポイントは品質やアフターの内容などですよね。その点、私どもは完全に日本ペイントのメーカー施工でその保証書もでますし、安心・安全と感じてもらえているのだと思います。杉並、世田谷が営業エリアの中心ですが、この限られた狭い地域で月間60件の塗装工事を行っていますので、数としては断トツだと思いますよ。

 ―――あとは、価格面の安心感も重要でしょう。
そうですね。最近はコスト削減のほか、コンプライアンスの意味も含め、外注に出していた部分を自社に切り替えることを進めています。例えば足場です。足場業者は東日本大震災以降、大規模修繕などの工事で忙しいため、戸建てはサイクルが短いこともあり、希望する時期に依頼するのが難しくなりました。そこで足場の安全管理規準が厳しくなった昨年6月の前から準備して自社体制をスタートさせたのです。

 ―――加えて施工の部分で言いますと、平成18年7月から自社施工課を発足させ、施工の体制強化に取り組んでいますね。
私はいかに集客するかなどの営業の部分にはあまり興味がありません。なぜ競合が増えても怖くないかというと、結局、一番大切なのは適正価格と品質、アフターですよ。今までで約1万件のOBの方がいますから、おかげさまで紹介やリピートで安定した受注件数は確保できています。特別な仕掛けをしているわけではなく、安心してもらえる管理体制に力を入れています。

 ―――そのために以前から一定の地域に固定の担当者を置いていますか。
はい。例えば杉並エリアでは6つのブロックに分けて、それぞれ6名の担当者が付いています。既に会社設立から12年となりましたので、塗装の10年サイクルが回り始めています。毎月各地域から引き合いがきますから、必ず担当者がいないとだめです。

 ―――ただ、人を置くだけではなく、施工品質を保つためのシステム化が必要だと思いますが。
当然現場の実行性を確立するための体制作りは必要です。弊社では職人が朝作業をスタートする時に、携帯で現場の画像とKYボード(危険予知活動表)、さらに自分たちの足場や職長の資格書や身なりも撮って送らせるシステムになっています。

 ―――工事は同じ人が行くわけですよね。資格書まで毎日送らせるのですか。
そうです。今日行う工事の資格書がきちっと入っているか確認するのです。これは私どもと日本ペイントの本部に送るのですが、万が一資格を忘れたときは現場ストップですよ。

 ―――そこまで、細かい規定を設ければ、施工品質の確保ができそうです。
たまに、昨日と同じ写真を送ってしまっているなどのミスはありますが、私どもの工事担当者が毎日現場をまわっていますから、問題を改善していくことができる形になっています。

 ―――ところで、新規客の獲得も必要だと思いますが、集客はどのようにしているのですか。
「Reform Guide」という塗装やリフォームの内容について総合的に記載した小冊子を配っています。次が21弾になるのですが、大体年に4回、30万部ずつ作っていまして、これを自社の社員や業者から、折り込みではなくポスティングで配布しています。あとホームページからの引き合いもきますね。

イメージは蕎麦屋のメニュー

 ―――御社では塗装工事を行う一方で、住宅リフォーム事業にも力を入れてきています。4年ほど前からはOB客限定で水栓金具交換、トイレの水漏れ工事といった水まわりを中心としたメンテナンス工事をわかりやすい価格帯で行う「メンバーズリフォーム」というサービスを開始されましたが、始めたきっかけは何だったのでしょう。
やはり、リフォーム工事は細かいものが多いですよね。イメージは蕎麦屋のメニュー表です。お客様が細かくてリフォーム会社には頼みづらく、他社に頼むと高くなってしまう工事を77種類集めたのです。

 ―――確かに急な水漏れなど、緊急性の高い工事は内容のわりに値段が高いところが多いです。でも例えば水栓工事1ヵ所3000円~の価格では、採算がとれないのではないですか。
確かに網戸1000円などでは採算にのっていないですよ。でもそうした工事をしっかりやることで、「お風呂を変えてほしい」などと、OBの方から依頼があるわけです。囲い込みですよ。

 ―――無料会員制になっていますが、現在の会員数はどのくらいですか。
始めたのは4年ほど前ですから、1万件のOB客のうち、3500件ぐらいです。無料ですから、工事をした方には全員会員になってもらっています。

 ―――顧客は、価格表で大体の金額がわかるので頼みやすいでしょうね。それにどこに頼んでいいかわからない細かい工事が項目別にこれだけ記載されていれば、ほとんどの状況に対応できそうです。
頼む方も多くなってきましたので、これからメニューを百数十項目に増やそうと考えています。3名のスタッフですべての工事の担当をしているのでが、大体月に対応できる数は60件ですね。

 ―――塗装などの専門工事をしていると、リフォームも依頼できるというイメージがなかなか施主に伝わらないですよね。そうした意味で、細かい工事は認知度アップにも効果的だと思います。
浸透するには10年かかりますよ。事業を始めて5、6年目からリフォームを行って今の状況ですから。ただ、今は折り込みなどをやらなくて、現状のスタッフ数では対応できないくらいの引き合いが安定して入るようになりました。今後は塗装の工事と同じくその引き合いをちゃんと売上げにつなげる体制にし、品質も向上していかないといけないと考えています。現場が良いこと、イコール施工業者がちゃんとするということですから、今期の計画ではリフォームの業者会の研修に力を入れています。

 ―――研修はどのような内容で行っているのですか。
1、2、3回目は私どもとの契約の見直しをしました。弊社の施工規準の資格や労災関係の制度ができているか、できていなければ研修会を開催して見直しをかけています。そして、この前の4回目は現場に反映されるルール作りです。安全点検の方法などの変更を行いました。

 ―――戦略としては今後、より住宅リフォームの売上げを増やしていく方向性ですか。
今12億円の売上げのうち、4割ほどがリフォームなのですが、理想としては塗装の売上げを逆転するぐらいまで増やしていきたいです。塗装は外装だけですが、リフォームは家全体に関係しますので、販路は広いですから。


会社概要
所在地 * 東京都杉並区 / 設立 * 2002年1月 / 資本金 * 1000万円
代表者 * 富田義秀氏 / スタッフ数 * 50名強 / 年間売上げ * 約12億円
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