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東京アサヒ販売、楽天に住設販売事業者で初出店

東京アサヒ販売、楽天に住設販売事業者で初出店

東京アサヒ販売
宮﨑 典幸 社長
1034号 (2012/07/31発行) 3面
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東京アサヒ販売 宮﨑 典幸社長

東京アサヒ販売 宮﨑 典幸社長

「楽天への出店販売」「ラジオ通販」これらは東京アサヒ販売(東京都北区)が業界に先駆けて行った住設機器の販売手法だ。現在、メーン商材となるトイレの累計販売・施工件数は1万件を突破し、毎年1000件以上のペースで受注を獲得している。独自路線を続ける同社の宮﨑 典幸社長に今までの軌跡と戦略を聞いた。

明確な価格表示を開始

 ―――かなり早い段階で楽天に出店していたようですが、事業を立ち上げられたきっかけは何だったのでしょう。
前職が衛生陶器の販売をしているアサヒ衛陶だったのですが、平成12年に独立し、当初は住宅設備機器の卸販売を行っていました。ただ、景気が良くなく、売り掛け販売は非常にリスクが大きいという状況でした。そこで、ユーザーに直接働きかける材工込みの販売を約10年前から取り組みました。楽天に出店したのはその後です。

 ―――10年前といったら、WEBで住設を販売するような会社はなかったのではないですか。
今では当たり前になっていますが、当時は全くなかったですね。価格を表示することもなかった時代でしたが、その時に明確な価格表示を始めました。

 ―――楽天に出店された当時の反響はどうでしたか。
最初は手作りのホームページで社員2人、関東限定でのスタートでした。ただ、想像以上の引き合いがあり、その時の楽天出店社の中で売り上げがトップになりました。

 ―――施工の体制を確立する必要があったと思いますが、どのようにしたのですか。
何もかもやるとなると、仕組み作りが大変です。そこで元々トイレメーカーにいたこともあり、とりあえず得意分野であるトイレを中心とした水回りに特化していきました。ただ、トイレといっても水道の技術以外にも、内装や大工の技術も必要です。それを職人の1人ですべてできるようにしていきました。つまり、多能工化していったということです。

 ―――商材を絞り、単価も安い分、効率化を進めていったわけですね。
だからこそ関東一円の対応ができたのです。これがたとえば郊外地に行き、内装工事が発生したからといって、あとで内装事業者を送ることはできません。1人でやるからどこにでも行けるわけです。

 ―――多能工化は一朝一夕にはできないと思いますが、どのように体制作りをしましたか。
基本となる職人が2名いましたので、希望者を集め、彼らの下につけて育てていきました。元々、設備工事経験者が一番多いですが、内装職人から多能工になるケースもあります。現在、フルで動いている職人は9名ほどですね。後の職人は仕事がある場合に随時、依頼する形になっています。

 ―――お客さんが依頼する流れはどうなっていますか。
ホームページ上の商品価格の下に無料見積もり依頼がありまして、そこに現状を書き込み、送信してもらいます。具体的にはトイレの広さや木造などの家の構造、便器の状況などを書いてもらいます。楽天は最初の問い合わせで写真の添付ができないので、文章と数字で書いてもらい、その後電話して確認します。現場調査は直接訪問する場合もありますが、写真を送ってもらうだけのときもあります。

 ―――ただ、最近は御社と同様にWEBを利用し工事込みで住設を販売する企業も増えてきました。御社の強みはどういった点でしょうか。
一日で工事を行う点です。お客様は何日も複数の職人が家に出入りすると、とてもストレスがたまります。だからリフォームをしたくても、そうした事態を想定してちゅうちょする方もいます。でも1日だったら、我慢できる方が多い。さすがにキッチンやバスは無理ですが、トイレや洗面などは内装を含め、1日で工事を終わらせます。和式とのトイレを洋式化するのも1日です。これは多能工だからできるのです。

 ―――WEBでの販売では、お客さんとの接触頻度が少ない分、工事品質が悪いと、よりクレームにつながりやすいと思います。その点はどのように解決しているのですか。
出来上がりは全部写真を撮って持ち帰り、それをチェックしています。また、職人の方たちと信頼関係を築くことです。彼らには集金もさせています。

 ―――楽天では工事が発生した際、手数料を払うシステムですか。
そうです。追加工事がある場合も楽天のポイントが欲しいとか、カードで払いたいといったケースもありますので、追加工事を入れた合計金額で再度設定して、その手数料を払います。

 ―――カードで工事費を払うとは珍しい。
それも特徴の1つでしょう。弊社はほとんどカード払いです。最高で275万円までカードで払ったケースがあります。元代議士の方で、所有されている学生寮が古くなり、入居率が悪くなったということでトイレと玄関、廊下をリフォームしました。

 ―――法人依頼もあるのですね。
あと病院とか、ビルオーナーの方からも引き合いがあります。所有するビルのトイレを変えたいなどの依頼です。

メーンはトイレと給湯器

 ―――会社の売り上げはどのくらいですか。
3億7000万円ほどです。トイレリフォームと給湯機交換の比率が高く、売り上げの65%くらいです。あとは洗面化粧台や照明、浴室換気乾燥機、キッチン、バスなどで、高松の営業所では店舗とマンションのリフォームも行っています。

 ―――大阪と名古屋にも拠点がありますね。
代理店もありまして九州や北海道は代理店が対応しています。

 ―――工事件数はどのくらいですか。
トイレが年間1200件ほどで、給湯器が1000件くらいです。ただ、工事件数は増えていますが、競争が激しくなり、利益は減っています。

 ―――見積もりを出した際の契約率はどのくらいですか。
7、8割です。ただ、問い合わせだけの場合は、契約に至らずそれだけで終わる方が多いですね。

楽天内の同社のページ
▲楽天内の同社のページ


会社概要
本社所在地 * 東京都北区 / 設立 * 平成12年
代表 * 宮﨑 典幸氏 / 売上高 * 3億7000万円
事業内容 * WEB、ラジオ、TV通販を利用した住宅設備の販売・施工
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