インテリックス 山本卓也 社長
―――今年2月に六面断熱を採用した定額制リノベーション「エコキューブ」の販売を開始しましたが、決算発表によると今期月10件、年間120件の販売とは大きな目標ですね。
エコキューブは、リフォームで最もクレームにつながる騒音とごみの問題を解決できるので、競争力が高い商品です。騒音とごみが発生する工事の大半は大工工事なので、床は置き床にし、壁や間仕切り、天井はプレカット工法を採用しました。そのため現場の加工が減り、音とごみを減らすことができます。実はさらに音を減らすため、釘を使わない工法の研究もしています。
―――神社仏閣のように釘を使わないとは驚きです。現在の住宅リフォームでは考えにくい工法ですね。
端的に言えば、のりで施工するのです。実験で立証されているので強度も問題ありません。ただ、問題はコストであり、釘よりも高いのです。ですからテストをしていまして、実現すれば、周辺住民に対しての、ストレスを減らすことができます。プレカット部材を現場で組み立てる形なので、高い技術がなくても施工の品質を維持できる点も特徴です。実は既にある大手リフォーム会社から工事をしてくれないかと依頼も来ています。
▲インテリックスの断熱施工の様子
―――ハウスメーカーのプレカット工法を中古マンションで取り入れているイメージでしょうか。
そういうことです。六面断熱を標準化し、給排水管はメンテナンスしやすいヘッダー工法で、在来工法とほぼ変わらない価格にできるようになっています。
―――工期も30日と短く、間取りの可変性も高いことが特徴ですね。
在来工法ですと壁を作ってから、床天井を作ります。ですから間仕切りのラインを後で変えることはできません。でもエコキューブは先に床と天井を作り、それから壁、間仕切りを施工しますから、極端な言い方をすると、何の打ち合わせをしなくても箱部分はできてしまうのです。ですから、お客様との打ち合わせも減らせますので、人件費の抑制にもつながります。
―――ただ、エコキューブは請負型ですので、今までの再販事業と販売ルートは変わりますよね。どのようなPRを考えていますか。
リノベーションマンションは17年前に会社を作り、8年連続で1000戸以上供給しています。累計数は3月で1万2000戸を超えました。ですから、今までのお客様に紹介をいただくこともあります。また、購入者のコンフォートクラブがありますので、そこへの告知やマスコミに対してのブランディングも考えています。
―――エコキューブの単価はどのくらいですか。
撤去費用は別ですが、六面断熱の費用も入れて、80平米で600万円台です。

所在地 * 東京都渋谷区 / 設立 * 平成7年7月17日
資本金 * 16億5810万円 / 代表 * 山本卓也氏
従業員 * 197名(グループ全体、24年5月末現在、エコキューブ人員は営業で約10名)
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