大京エル・デザイン 海瀬和彦社長
52万戸のストック主体に提案強化
大京グループのリフォーム会社、大京エル・デザインの業績が伸びている。来期からの3ヶ年でリフォーム売り上げ100億円突破を目指す同社は今期、前年度比20%以上増となる50億円に到達する見込み。グループが管理する約52万戸の豊富なマンションストックへの提案に加え、不動産仲介時に派生する改修などで、事業を拡大させつつある。海瀬和彦社長に今後に向けた取り組みを聞いた。
1000万円超の受注増
―――今期は大分リフォームが好調に推移しているようですね。
今期は堅調で片手(50億円)を超えそうです。従来は商品の問題などで不安定な面がありましたが、それが改善され数字が読めるようになってきました。また、社員が少しずつ育ってきて、空間提案も含めた強みにしていきたい部分に力がついてきました。例えば2年前だと提案ができる人間が、2、3人ほどしかいませんでしたが、今は十数人います。もちろん個人差はありますがね。
―――そうなると単価も変わってきたのではないですか。
従来は300万から400万円ぐらいのリフォームが多かったですが、それが今500万とか800万円、1000万円以上も取れてきています。2年前だと1000万円を超えるものは年に数件ぐらいでしたが、今は1カ月数件ですから。前年と比べてリフォームは10億円強伸びていますが、数だけではなく単価が上がっています。
―――提案先の中心はグループで管理されている約52万戸のストックが中心ですよね。
そうです。弊社の売り上げを10とするとインテリア部門が3、リフォームが7でして、リフォーム全体のうち関連会社から来る分は、大京アステージと共同で無料点検から来る分が2割ほど、大京リアルドの仲介物件から来るリフォームが2割ほどです。
西への提案開始
―――先日大阪に、東京、名古屋についでマンションリフォームのギャラリーをオープンされたのも、メーンとなる管理物件への提案強化のためでしょうか。
グループの約52万戸の管理物件ですが、名古屋から西に3分の1ほど、18万5000戸あります。これは穴吹工務店がグループになったためでして。そこで中期的な展望では、大京のライオンズマンション以外にも提案に乗り出していこうと思っているわけです。
スタートはブランド力があるところにつくりましたが、次に大阪と。やはりショールームがあってお客様の目に入ってこないと、ブランドが定着しませんので。
大阪にマンションリフォームギャラリー開設
―――既に東京と名古屋のショールームはできてから大分日が立ちましたが、完成後の影響は大きいでしょうか。
何もないときは他社さんのショールームを借りていたのです。でもキッチンなど自社ブランドの商品を作りましたので、ショールームも自分たちで作っていかないといけない。そこで、お客さんに説明する、あるいは触れてもらうことから始まると思うので、先々はもう少し西、中国、四国、九州のエリアにも広めていきたいと思います。
―――具体的にはショールームの使い道は。
プランナーが商品を見せての営業と、セミナーなどの集客目的に使っています。ただ、残念ながらショールームがたくさんあるわけではないので、セミナーはTOTOさんやLIXILさんのショールームを借りて行うケースもあります。
―――そうなってきますと、ショールーム戦略として未開拓の地域への出店に加え、東京で2つ目といった戦略もありえますかね。
ありえますね。東京ももう少ししたら改装します。オリジナル商品が入りきれず、バラバラにおいてしまっていますので。もう少しまとまった形で、お客さん目線のショールームに作り直したいところです。そうしたものが2カ所、3カ所必要だと思います。
オリジナル商品拡充
―――そこには、オリジナル商品の展示が増えると思いますが、先日洗面化粧台をアイテムにプラスしたことに加え、新たな商品をさらに出していく戦略ですか。
オリジナル商品は必要だと思っています。当社はご存知のようにライオンズマンションを多数作ってきたノウハウがあり、お客様がどういうものを求めているかの声がある。それを生かし機能性もデザイン性もコストパフォーマンスもあるものを作っていけるわけです。 この前出した洗面化粧台も10㎜ピッチでスパッと収まる仕様でして、中古の市場性はもっと増しますからリフォームの多様性に対応できるものを作る必要があります。
―――家具などもオリジナルで出されていますが、オリジナルの採用率は高いのですか。
まだこれからですね。家具はまず新築のライオンズマンションに入れるために作りましたが、来期ぐらいからは、ブランド定着に中古、既存の住宅に入れていく考えをもたないといけません。
―――中長期的な戦略はどうみていますか。
ライオンズマンションだけではなく、ライオンズと全く縁がない人にも提案し、入れてもらえることが絶対に必要だと思っています。もちろん52万戸の規模は生かしますが、それだけではなく提案力をつけていくことで外に受け入れられるようにしていかないといけません。

所在地 * 東京都渋谷区 / 設立 * 2006年8月
資本金 * 2億円 / 従業員数 * 95人(2013年4月1日現在)

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