日本エコシステム 白髭博司社長
太陽光発電システムは、国の補助金の終了や売電価格の低下により、需要の低迷期に差し掛かっている。そんな中、販売大手の日本エコシステム(東京都港区)は、現在の状況を需要の踊り場と読み、次の拡大期に向けた準備を構築中だ。5月に新社長に就任した白髭博司氏に今後の事業戦略を聞いた。
計画を大きく下回る
―――補助金が減額されるなど市場環境は厳しさを増してきました。2012年度5200棟に販売した住宅向けを含め、2013年度の実績はいかがでしたか。
結果としては、計画の235億円に大きく届かず、グループ連結で186億円でした。内訳として住宅用が約80億円、販売棟数でいうと約3500棟。10kWから50kWを基本とした小規模産業用が約50億円、大規模産業用が約56億円という構成比です。
住宅用がここまで沈み込むとは予想しきれなかったのと、産業用が想像以上に盛り上がるということを、想定できなかった1年でした。
―――住宅向けが減収となった要因はどこにありますか。
もともと軸となっていた商業施設のイベント常設店、こちらが他社とのお客さんの取り合いなどで厳しい環境となり、落ち込んだのが大きいです。また、東京都などはkwあたり10万円の補助金がなくなり、需要が前年度比50%を割っている。政策の影響もあると思います。
住宅用で75億円計画
―――では、今期の計画は。
グループ全体で約200億円です。住宅用で約75億円、小規模産業用で約80億円、大規模が45億円です。前年度から見ると住宅用がさらに売り上げとして落ち込む一方、小規模産業用を伸ばしていきたい。大規模は用地の問題もありますので、前年比を下回る設定です。
―――この先、3、4年の事業計画は。
たぶん太陽光に関しては今期の数字をキープしていくのが精いっぱいではないかと思います。
―――ほかの商材を伸ばすということでしょうか。
そうですね。住宅向けでは太陽光だけではなく、オール電化も手掛けていました。その他、蓄電池やスマートハウス関連商材もあります。
特に蓄電池は盛り上がりを見せているので、太陽光単体の価格は沈むとみていますが、関連商材で単価をキープしていくイメージです。直販では、200万円以上の単価を目指しています。
―――そうした中、常設店は維持していくのですか。
住宅向けは130億円見込んでいたのが80億円でしたから、利益も厳しくなっている。そこを改善していく。お金がかかる28カ所の常設店はある程度取捨選択で数を減らし、コストを下げながら売り上げをキープしていきます。
―――そうなると、効率営業がカギとなると思いますが、既存のOB客へのアプローチは効率面では有効ではないですか。
はい。累計棟数が3万3000棟になりましたが、OBのお客様に向けての商材の開発も売り上げのプラスアルファに考えています。
―――一方、売り上げの拡大を見込む、小規模の販売先はどんな相手が多いのでしょう。
アパマン関係のオーナーさんです。屋根に載せる場合で、前年度の実績が300件ほど。1件単価は約450万円になります。後は野建てが200件ぐらいあります。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1655号(2025/07/07発行)17面
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面
- 1647号(2025/05/05発行)15面