スウェーデンハウスリフォーム 小島敏之社長
新規客平均工事単価は1000万円超
スウェーデンハウスリフォーム(神奈川県川崎市)のリフォーム売り上げが順調に拡大している。前期は、前年度比30%増となる32億7000万円を記録。本格強化していたOB客以外の売り上げも5億円を突破した。「家そのものの性能を上げるリフォームを進める」と話す小島敏之社長に、事業拡大に向けた戦略を聞いた。
新規専門部隊ができ1年
―――6人から成る専門チームを立ち上げ、新規客向けの提案を本格化してから1年が経過しました。成果はいかがでしょう。
私どもがリフォームを行う目的として大きいのは約2万8000件のオーナー様に暮らしの豊かさを再現してもらうことです。そこが収益のベースになっていますが、前期は新規の方からの実績が大きな底上げになったのは間違いありません。そこで、新規を伸ばして行こうと思いますが、通常のリフォームをしようとは考えていません。耐震はもちろんのこと、断熱性能や省エネ性など、家そのものの性能を上げるリフォームが絡まないと意味がない。その点に特化します。急激な伸びはないと思いますが、昨年でなんとかやっていけるとの感触をつかみました。
―――そうなると新規向けは1000万円を超える提案になるわけですか。
平均単価は超えます。中には4000万円を超える物件もありました。
―――具体的に新規向けの売り上げはどのくらいになりましたか。
前々期が1億9000万円でしたが、前期実績で5億5000万円です。ただ、施設のリフォームが2億円ほど入っているので、実質3億5000万円程度ですね。
―――新築ではQ値が2を切るくらいだったと思いますが、リフォームでも同等の数字を実現するのですか。
床でも発砲ウレタンで50㎜×2の100㎜ですから、計算上のQ値は新築と近いです。ただ、気密性などで新築までの性能は難しいです。
―――それでも、一般的なリフォームと比較すると高性能です。他社はなかなか進められていない。
本当にマーケットに取り入れてもらえるのか、揺れ動く部分もあります。ただ、30年前にスウェーデンハウスができ、私も関東で営業をしていた頃は、スウェーデンハウスなんて過剰スペックとよく言われました。関東で3枚ガラスなどいるわけがないと。それが、今やペアガラスが標準になり、エネルギー問題もありますので、いつかは3枚という時代もくるでしょう。リフォームの世界においても過剰ではなく、フルスペックでリフォームした方の生活やコストにこれだけの変化があったなどの実例を紹介していけば、需要が生まれると思います。
―――東日本大震災以降、東京電力管内などは電気代が3割以上あがりました。今後の化石燃料の値上がりを加味すると、住まい性能向上で省エネをする考えが意外に早く浸透するかもしれません。
少しその芽が出てきていると思います。今までゼロベースだった、エネルギーに対する日本国民の考え方がはっきりと表れてきました。ヨーロッパでもエネルギー問題への対策がいきなり出てきたわけではなく、徐々に進めてきています。
今期は35億円目標
―――ところで今期はリフォームでどのくらいの売り上げを計画しているのですか。
35億円です。ただ、前期は先ほど話をしたように施設向けが2億円ぐらいありましたから、実質30億円強なんですね。ですから成長率は最低14%を見込み、スタートしました。
―――OBと新規はどちらの成長を多く見込んでいるのでしょう。
伸び率としては新規を若干高く見ていますがOBも今までの形では難しくなってきます。そこで、OB売り上げの32%ある塗装をベースに、例えば太陽光でも単発ではなく蓄電やHEMSと絡め単価をあげる。そんな努力を進めていきます。
―――OB向けの提案は、訪問しての形になるのですか。
定期訪問はなかなかできていないので、新築アフターメンテナンスの担当からの情報に頼っている部分が大きいです。それと、本体がオーナー様にアフターメンテナンスの研修会や夏至祭、クリスマスパーティーを開催している。ここにリフォーム担当が参加することでオーナー様との接触頻度を増やしています。あとは、スウェーデンハウスのモデルハウスからの情報が明らかに増えました。一般来場者の中でリフォームを考えている人が多くなってきています。

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