細田工務店 齊藤年男 執行役員 生産本部副本部長兼リフォーム営業部長
「安心の材料は近くにあること」
消費増税の影響により、今年度のリフォーム事業が厳しいスタートとなった中、細田工務店(東京都杉並区)は、地域密着のドミナント戦略を推進する。阿佐ヶ谷の商店街「パールセンター」の店舗を中心に、ユーザーとコネクションを持ち、将来発生する改修需要を獲得する戦略だ。顧客数を増やすことで、市場環境に左右されにくい安定した事業体制構築を目指す。齊藤年男執行役員・生産本部副本部長兼リフォーム営業部長に今後の方向性を聞いた。
需要悪化で7月も底
――昨年のリフォーム売り上げは、25%増の14億9700万円となりました。今年度に入り、市況はかなり悪くなりましたが状況はいかがでしょう。
4月からは、手の施しようがありませんでした。お客さんそのものがいらっしゃらないし、来ても本気ではありません。
――ただ、7月から徐々に回復傾向が見えるとの話も聞きます。
私もいろんな人の意見を聞いて6月が底だと聞いていましたが、7月も底でした。悪さがそんなに長引かないだろうと言われていますが、根が深い感じがします。ただ、小さい工事が動き始めているのは事実です。網戸の張り替えキャンペーンなどすると敏感に反応がきます。
――ただ、御社の場合、千葉や神奈川で分譲した新築OB客の方の塗り替え需要もあります。そちらの需要はいかがでしょう。
堅調ですね。つまり、「気分を変えて、キッチンやお風呂のリフォームをしよう」というものが厳しいというのが私の実感です。
小さい工事で手をつなぐ
――そうなると、今期の戦略をどのように考えていますか。
今年度は、他社と差別化できる耐震改修などの専門性と単価が高い仕事を取り、利益率の向上と売り上げアップを狙って動きだしました。しかし、前半は大きな工事が動かない状況でした。ただ、半年、1年と時間をかけて育てる分野なので、やめるわけにはいかない。後半も続けていきます。一方、その間も売り上げを上げる必要がありますから、水まわりなどある程度の単価の工事を進めていきます。

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